基盤研究(C)は、科研費で最も応募件数が多い種目です。令和8(2026)年度は47,969件の新規応募に対して12,419件が新規採択され、新規採択率は25.9%でした。前年度の27.4%から1.5ポイント下がっています。応募総額は500万円以下、研究期間は3年から5年で、年齢や学位取得後の年数による制限も受給回数の制限もありません。
本ガイドは、この種目について検索される三つの問い、採択率はいくつか、金額はいくらか、他の種目と重複して応募できるかに絞って答えます。数値はすべて日本学術振興会の配分状況一覧と令和9(2027)年度公募要領から取り、出典を各表に添えました。
この記事の要点
- 令和8年度の新規採択率は25.9%(新規応募47,969件・新規採択12,419件)。令和5年度から令和7年度までの27%台から下落
- 小区分ごとに見ると採択率は20.0%から33.0%まで開く(令和7年度・306区分、中央値26.8%)
- 応募総額は500万円以下(研究期間全体の総額)、研究期間は3年から5年
- 令和8年度の1課題当たり配分額は平均1,245千円、最高3,800千円
- 基盤研究(S・A・B)、若手研究、挑戦的研究(開拓)とは重複応募できない。挑戦的研究(萌芽)は令和9年度から39歳以下に限り重複可
- 基盤研究(B)との違いは金額(500万円以下と500万円以上2,000万円以下)と審査委員数(3名と5名)
- 令和9年度公募の提出期限は2026年9月17日(木)午後4時30分(厳守)、審査結果通知は2027年2月26日の予定
1. 採択率の推移(令和5年度から令和8年度)
基盤研究(C)の新規採択率は、令和5年度から令和7年度まで27.4%、27.5%、27.4%とほぼ横ばいでしたが、令和8(2026)年度は25.9%へ下がりました。応募が前年度より1,472件増えた一方で、採択が337件減ったためです。応募件数は4年間で43,689件から47,969件へ4,280件増えており、増加の傾向は続いています。
表1. 基盤研究(C)の新規採択実績(令和5年度から令和8年度)
| 年度 | 新規応募(件) | 新規採択(件) | 新規採択率 |
|---|---|---|---|
| 令和5(2023)年度 | 43,689 | 11,991 | 27.4% |
| 令和6(2024)年度 | 45,713 | 12,551 | 27.5% |
| 令和7(2025)年度 | 46,497 | 12,756 | 27.4% |
| 令和8(2026)年度 | 47,969 | 12,419 | 25.9% |
出典: 令和8年度と令和7年度の値は日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在、令和8年8月18日更新)、令和6年度と令和5年度の値は同「配分状況一覧(令和6年度 新規採択分)」(令和7年3月現在)に掲載された当該年度および前年度実績です(いずれも2026年8月19日参照)。同一覧では〔 〕内が前年度実績を示します。
1-1. 他の種目と比べてどうか
令和8年度の新規採択率を基盤研究の各区分と若手研究で並べると、若手研究40.1%、基盤研究(C)25.9%、基盤研究(B)24.9%、基盤研究(A)24.0%、基盤研究(S)11.4%です。基盤研究の中では基盤研究(C)が最も高いものの、若手研究とは14ポイント以上の差があります。前年度からの下げ幅は基盤研究(A)が2.1ポイント、基盤研究(B)が1.8ポイント、基盤研究(C)が1.5ポイントで、基盤研究全体が同じ方向に動いています。
表2. 令和8年度の新規採択率(基盤研究4区分と若手研究)
| 研究種目 | 新規応募(件) | 新規採択(件) | 令和8年度 | 令和7年度 |
|---|---|---|---|---|
| 若手研究 | 14,771 | 5,928 | 40.1% | 40.2% |
| 基盤研究(C) | 47,969 | 12,419 | 25.9% | 27.4% |
| 基盤研究(B) | 13,155 | 3,281 | 24.9% | 26.7% |
| 基盤研究(A) | 2,548 | 612 | 24.0% | 26.1% |
| 基盤研究(S) | 606 | 69 | 11.4% | 12.1% |
出典: 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在)(2026年8月19日参照)。件数は令和8年度の新規応募・新規採択です。
科研費以外の制度も含めて採択率を比べたい場合は、研究費の採択率まとめ2026(科研費・JST・AMED・民間財団の通過率と倍率)に一次データをまとめています。
2. 審査区分(小区分)別の採択率
基盤研究(C)は小区分ごとに審査され、採択件数も小区分ごとに決まります。したがって全体平均の採択率だけを見ても、自分が応募する区分の実態はわかりません。日本学術振興会は小区分ごとの応募件数と採択件数を「配分結果集計表(審査区分別)」で公表しており、令和7(2025)年度の新規採択分では306の小区分すべてについて数値が出ています。
この306区分の採択率を計算すると、最も高い区分と最も低い区分で13.0ポイントの開きがあります。全体平均が27.4%の年でも、20%台前半の区分と30%を超える区分が同時に存在します。
表3. 令和7年度 基盤研究(C)の小区分別採択率の分布(306区分)
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 最も高い小区分 | 幾何学関連 33.0%(応募179件・採択59件) |
| 最も低い小区分 | ナノ構造物理関連 20.0%(応募15件・採択3件)、自然人類学関連 20.0%(応募15件・採択3件) |
| 306区分の中央値 | 26.8% |
| 採択率30%以上の区分 | 21区分 |
| 採択率27.5%以上30%未満の区分 | 94区分 |
| 採択率25%以上27.5%未満の区分 | 172区分 |
| 採択率25%未満の区分 | 19区分 |
出典: 日本学術振興会「配分結果集計表(審査区分別)」(令和7年度、令和8年3月30日更新)の基盤研究(C)(新規分)に掲載された小区分ごとの応募件数・採択件数から、研究費サーチが採択率・中央値・区分数を算出しました(2026年8月19日参照)。同表の合計は応募46,497件・採択12,756件で、表1の令和7年度の値と一致します。採択率は同表に掲載がないため本サイトの計算値です。
2-1. 応募件数が多い小区分の採択率
応募件数が多い区分は、それだけ採択件数も多く配分されるため、採択率は全体平均に近い値に落ち着きます。応募件数上位10区分はいずれも26%台から29%台に収まっており、「応募が多い区分は通りにくい」とは限りません。
表4. 令和7年度 基盤研究(C)で応募件数が多い小区分(上位10区分)
| 小区分 | 応募(件) | 採択(件) | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 高齢者看護学および地域看護学関連 | 830 | 241 | 29.0% |
| 栄養学および健康科学関連 | 752 | 200 | 26.6% |
| リハビリテーション科学関連 | 681 | 187 | 27.5% |
| 放射線科学関連 | 656 | 180 | 27.4% |
| 教科教育学および初等中等教育学関連 | 613 | 176 | 28.7% |
| 社会福祉学関連 | 575 | 166 | 28.9% |
| スポーツ科学関連 | 569 | 162 | 28.5% |
| 外国語教育関連 | 564 | 162 | 28.7% |
| 基礎看護学関連 | 562 | 162 | 28.8% |
| 教育工学関連 | 545 | 155 | 28.4% |
出典: 日本学術振興会「配分結果集計表(審査区分別)」(令和7年度)の基盤研究(C)(新規分)。応募件数・採択件数は同表の掲載値、採択率は研究費サーチが算出しました(2026年8月19日参照)。
2-2. 応募規模が同程度の区分でも差がある
応募件数が15件前後の小さな区分では、採択が1件増減するだけで採択率が数ポイント動きます。区分間の比較をするなら、応募規模をそろえて見る必要があります。応募件数200件以上の65区分に限ると、採択率は25.4%から31.4%の範囲に収まり、上位には人文学と教育学の区分、下位には医学と獣医学の区分が並びます。
表5. 令和7年度 基盤研究(C)・応募200件以上の区分での採択率の上下(各5区分)
| 位置 | 小区分 | 応募(件) | 採択(件) | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 高い | 日本文学関連 | 220 | 69 | 31.4% |
| 高い | 英文学および英語圏文学関連 | 223 | 68 | 30.5% |
| 高い | 言語学関連 | 288 | 87 | 30.2% |
| 高い | 教育学関連 | 465 | 137 | 29.5% |
| 高い | 子ども学および保育学関連 | 394 | 116 | 29.4% |
| 低い | 神経内科学関連 | 224 | 57 | 25.4% |
| 低い | 獣医学関連 | 231 | 59 | 25.5% |
| 低い | 人体病理学関連 | 223 | 57 | 25.6% |
| 低い | 血液および腫瘍内科学関連 | 242 | 62 | 25.6% |
| 低い | 外科学一般および小児外科学関連 | 331 | 85 | 25.7% |
出典: 日本学術振興会「配分結果集計表(審査区分別)」(令和7年度)の基盤研究(C)(新規分)から、応募件数200件以上の65区分を抽出して研究費サーチが算出しました(2026年8月19日参照)。年度ごとに順位は入れ替わります。
3. 金額と研究期間、実際の配分額
基盤研究(C)の応募総額は500万円以下、研究期間は3年から5年です。この500万円は研究期間全体を通じた総額であり、単年度の上限ではありません。会計上は学術研究助成基金助成金(基金)に区分され、年度をまたいだ使用が制度上認められています。
表6. 基盤研究(C)の応募条件と配分実績
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募総額 | 500万円以下(研究期間全体の総額) |
| 研究期間 | 3年から5年 |
| 会計の区分 | 学術研究助成基金助成金(基金) |
| 審査区分 | 小区分 |
| 審査方式 | 2段階書面審査(審査委員3名、合議審査なし) |
| 令和8年度の1課題当たり配分額 | 平均1,245千円 / 最高3,800千円 |
| 令和7年度の1課題当たり配分額 | 平均1,275千円 / 最高4,700千円 |
| 令和8年度 新規採択分の配分総額 | 15,463,500千円(このほかに間接経費4,639,050千円) |
出典: 応募総額・研究期間・会計区分・審査区分・審査方式は日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」、配分額は同「配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在)。いずれも2026年8月19日参照。基金研究種目であるため、配分額欄には当該年度の当初計画に対する配分額が計上されています。間接経費は直接経費とは別枠(外数)です。
1課題当たり配分額の平均1,245千円は、令和8年度に新規採択された課題に対するその年度分の配分額です。研究期間が3年から5年に分かれるため、単純に5倍すれば総額になるわけではありません。応募総額500万円を3年で使うか5年で使うかは研究計画次第で、期間を長くすれば単年度あたりの額は小さくなります。初年度に多めに配分して装置や機器を整え、2年目以降を消耗品や旅費に充てる計画が実務ではよく採られます。
配分額のほかに、直接経費の30%に相当する間接経費が研究機関に措置されます。令和8年度の新規採択分では、配分総額15,463,500千円に対して間接経費が4,639,050千円で、比率は30%です。間接経費は研究者が使う研究費ではなく、研究機関が管理する経費です。
4. 重複応募できる種目とできない種目
基盤研究(C)に研究代表者として応募するとき、同じ年度に他の種目へも研究代表者として応募できるかどうかは、公募要領の「別表1 重複制限一覧表」で決まっています。基盤研究(C)を軸にして令和9(2027)年度公募の一覧表を読み替えると、次のとおりです。
表7. 基盤研究(C)に研究代表者として応募する場合の重複制限(令和9年度公募)
| 同じ年度に研究代表者として応募したい種目 | 可否 | 一覧表の記号 |
|---|---|---|
| 特別推進研究 | 双方に応募できる。双方採択となった場合は特別推進研究のみを実施 | □ |
| 基盤研究(S) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 基盤研究(A) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 基盤研究(B) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 基盤研究(C)をもう1件 | 同一の研究種目に2件は応募できない | 同一種目の記号 |
| 若手研究(1回目・2回目とも) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 挑戦的研究(開拓) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 挑戦的研究(萌芽)(採択年度の4月1日現在で39歳以下) | 双方に応募できる(令和9年度公募からの緩和) | 空欄 |
| 挑戦的研究(萌芽)(40歳以上) | どちらか一方にしか応募できない | × |
| 学術変革領域研究(A)の総括班・計画研究・公募研究 | 双方に応募できる | 空欄 |
| 学術変革領域研究(B)の総括班・計画研究 | 双方に応募できる | 空欄 |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」別表1「重複制限一覧表」1-1(研究代表者→研究代表者型)の基盤研究(C)・新規・研究代表者の行(2026年8月19日参照)。同表の凡例では、空欄が「双方の研究課題とも応募できる」、×が「一つの研究課題にのみ応募できる」、同一種目を示す記号が「同一の研究種目(応募区分)においては、一つの研究課題にのみ応募できる」、□が「双方の研究課題とも応募できるが、双方採択となった場合には乙欄の研究課題の研究のみ実施する」を表します。
4-1. 令和9年度からの緩和(挑戦的研究(萌芽)と39歳以下)
令和9(2027)年度公募から、若手研究者支援を更に充実させるため、39歳以下を対象として挑戦的研究(萌芽)と基盤研究(C)との重複応募・受給制限が緩和されました。対象は公募要領の注記で「採択年度の4月1日現在で39歳以下である研究者」と定められています。40歳以上の研究者は従来どおり「×」で、どちらか一方にしか応募できません。
なお公募要領は、挑戦的研究について「他の研究種目と重複して応募することができる場合もありますが、応募する研究計画はそれらとは異なる研究内容に限ります」とし、基盤研究等とは審査基準が異なる点に注意するよう求めています。基盤研究(C)の計画をそのまま挑戦的研究(萌芽)にも出す、という使い方は想定されていません。
4-2. 継続課題を持っている場合
令和9年度に継続が予定されている基盤研究(C)の研究代表者になっている場合は、その年度に基盤研究(S・A・B)、若手研究、挑戦的研究(開拓)、挑戦的研究(萌芽)(40歳以上)へ新規応募することはできません。一覧表ではこの関係が「▲(乙欄の研究課題に応募できない。甲欄の継続研究課題の研究のみ実施する)」と示されています。挑戦的研究(萌芽)で採択年度の4月1日現在39歳以下の場合は空欄で、継続の基盤研究(C)を持っていても応募できます。
4-3. 研究分担者としての参画は制限されない
ここまでは「どちらも研究代表者として応募する場合」の話です。基盤研究(C)に研究代表者として応募しながら、他の研究課題に研究分担者として参画することは、通常自由にできます。公募要領の別表1(2-1)で研究代表者から研究分担者への重複が制限されているのは特別推進研究などに限られ、基盤研究(C)の行はすべて空欄です。
5. 基盤研究(B)との違い
基盤研究(B)と基盤研究(C)は、対象となる研究の性格が同じで、区分を分けているのは応募総額です。公募要領は基盤研究(A・B・C)をまとめて「独創的、先駆的な研究を格段に発展させる、一人又は複数の研究者で組織する研究計画」と定義し、応募総額により3種類に区分すると書いています。したがって、どちらに出すかは研究の質ではなく規模で決まります。
表8. 基盤研究(C)と基盤研究(B)の比較
| 観点 | 基盤研究(C) | 基盤研究(B) |
|---|---|---|
| 応募総額 | 500万円以下 | 500万円以上2,000万円以下 |
| 研究期間 | 3年から5年 | 3年から5年 |
| 会計の区分 | 学術研究助成基金助成金(基金) | 学術研究助成基金助成金(基金) |
| 審査区分 | 小区分 | 小区分(一部は複数小区分の合同審査) |
| 審査方式 | 2段階書面審査 | 2段階書面審査 |
| 審査委員 | 3名 | 5名(合同審査の区分は6名から9名) |
| 令和8年度 新規採択率 | 25.9% | 24.9% |
| 令和7年度 新規採択率 | 27.4% | 26.7% |
| 令和8年度 1課題当たり平均配分額 | 1,245千円 | 5,240千円 |
| 令和8年度 1課題当たり最高配分額 | 3,800千円 | 16,800千円 |
| 国際・若手支援強化枠 | あり | あり |
| 同一年度の重複応募 | できない(どちらか一方にしか応募できない) | |
出典: 応募総額・研究期間・会計区分・審査区分・審査方式・審査委員数・国際・若手支援強化枠・重複制限は日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」、採択率と配分額は同「配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在)。いずれも2026年8月19日参照。
採択率だけを見ると、令和8年度は25.9%と24.9%で1.0ポイントしか違いません。令和7年度も27.4%と26.7%で、差は年度によって0.7ポイントから1.0ポイントの範囲にとどまっています。「基盤研究(B)は通りにくいから基盤研究(C)にしておく」という判断は、数字の上では根拠が薄いということです。
実際に効いてくる違いは二つです。一つは金額で、令和8年度の1課題当たり平均配分額は1,245千円と5,240千円で4倍以上開きます。研究分担者を置いてチームで進める規模なら基盤研究(B)、個人または少人数で進める規模なら基盤研究(C)、という切り分けが実態に合います。
もう一つは審査委員の人数です。基盤研究(C)は3名、基盤研究(B)は5名で、読み手が増える分だけ経費の妥当性や研究体制への視点も増えます。500万円をわずかに超える計画を組む場合は、超過分に見合う成果を示せるかどうかを先に検討し、示せないなら500万円以内に収めて基盤研究(C)に出す方が実務的です。
6. 応募資格と受給回数
基盤研究(C)には年齢制限も、学位取得後の年数による制限も、受給回数の制限もありません。科研費の応募資格を有する研究者であれば応募できます。若手研究が博士の学位取得後8年未満に限られ、受給が通算2回までに制限されるのと対照的で、キャリアを通じて繰り返し応募できる種目です。応募件数が科研費で最も多いのはこのためです。
科研費への応募資格は、研究機関に所属し、その機関から科研費の応募資格を付与されていることが前提です。応募の前に、e-Radへの研究者情報の登録状況と、電子申請システムのIDとパスワードの取得状況を、所属機関の事務担当者に確認してください。
7. 審査の仕組みと不採択時の開示
基盤研究(C)は、小区分ごとに3名の審査委員が2段階にわたり書面審査を行います。合議審査は行わず、面接もありません。審査ではresearchmapおよび科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を必要に応じて参照する取扱いとされており、公募要領はresearchmapへの研究者情報の登録を求めています。参照の際はresearchmapに登録された研究者番号で検索されるため、研究者番号の登録も必要です。
表9. 基盤研究の審査区分と審査方式
| 種目 | 審査区分 | 審査方式 | 審査委員 |
|---|---|---|---|
| 基盤研究(A) | 中区分 | 総合審査(書面審査および合議審査) | 7名から8名 |
| 基盤研究(B) | 小区分 | 2段階書面審査 | 5名 |
| 基盤研究(C) | 小区分 | 2段階書面審査 | 3名 |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」(2026年8月19日参照)。基盤研究(B)のうち著しく応募件数の少ない一部の小区分については、複数の小区分での合同審査を6名から9名の審査委員により実施します。基盤研究(A)は応募件数が多い審査区分では、7名から8名で構成する複数の小委員会に分割して実施します。
7-1. 不採択のときに何が開示されるか
基盤研究(B・C)と若手研究では、採択されなかった研究代表者のうち開示を希望する者に対して、1段階目の審査の結果として次の三つが電子申請システムにより開示されます。
- 小区分におけるおおよその順位
- 各評定要素に係る審査委員の素点(平均点)
- 「定型所見」
順位と素点が数字で返るため、次年度に同じ小区分へ再応募する際の判断材料になります。順位が上位に近ければ計画の骨格は維持して記述を詰め、下位であれば小区分の選定から見直す、という使い分けができます。基盤研究(A)では開示内容が異なり、中区分におけるおおよその順位と審査結果の所見が開示されます。
8. 国際・若手支援強化枠
令和7(2025)年度公募より、国際的な競争力や波及効果の高い研究を見出すため、基盤研究(A・B・C)に「研究課題の国際性」という評定要素が新たに加えられました。あわせて、研究計画調書の「1 研究目的、研究方法など」の欄に、研究提案がどのような国際性を有するかについて記載することが求められています。
この評定要素を活用して、予算の範囲内で国際性の評価が高い研究課題に対して応募額を尊重した配分が行われるほか、基盤研究(B・C)では、若手研究者による国際性の評価が高い研究課題を追加的に採択する「国際・若手支援強化枠」が設けられています。若手の応募者にとっては、国際性の記載が採択の可能性に直接つながる仕組みになっているため、研究計画調書でこの欄を空疎にしないことが実務上の要点になります。
9. 令和9年度のスケジュール
表10. 令和9(2027)年度 基盤研究(A・B・C)・若手研究のスケジュール(予定)
| 段階 | 時期 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8(2026)年7月14日 |
| 研究計画調書の提出(送信)期限 | 令和8(2026)年9月17日(木)午後4時30分(厳守) |
| 審査結果通知 | 令和9(2027)年2月26日 |
| 交付内定 | 令和9(2027)年4月上旬 |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」の公募スケジュール(予定)および研究計画調書の提出期限(2026年8月19日参照)。予定であり変更される可能性があります。
公募要領は、この期限より後に提出(送信)された課題はいかなる理由であっても受理しないこと、期限より後には引き戻しと再提出も行えないことを明記しています。提出期限当日の引き戻しは、アクセスが集中して再提出が完了できない場合があるため避けるよう求められています。
研究機関は独自に機関内の締切を設けており、公募締切の2週間から3週間前に設定されることが一般的です。この2週間から3週間という目安は制度上定められた値ではなく、一般的な運用を説明したものです(公募要領は研究機関内における応募書類の提出期限を研究機関の事務担当者に確認するよう求めており、日数は定めていません)。研究支援担当部署が申請書の事務的な確認(予算額、研究分担者の情報、e-Radの入力内容)を行う時間が必要なためです。正確な機関内締切は所属機関の研究支援担当部署に確認してください。審査結果が出る時期を他の制度と並べて確認したい場合は、研究費の採択結果はいつ発表されるか(2026年秋から2027年春の発表時期一覧)にまとめています。
10. 若手研究との使い分け
表11. 基盤研究(C)と若手研究の比較
| 観点 | 基盤研究(C) | 若手研究 |
|---|---|---|
| 令和8年度 新規採択率 | 25.9% | 40.1% |
| 令和7年度 新規採択率 | 27.4% | 40.2% |
| 応募総額 | 500万円以下 | 500万円以下 |
| 研究期間 | 3年から5年 | 2年から5年 |
| 応募資格 | 制限なし | 博士の学位取得後8年未満 |
| 受給回数 | 制限なし | 通算2回まで |
| 審査方式 | 2段階書面審査(3名) | 2段階書面審査(3名) |
| 同一年度の重複応募 | できない(どちらか一方にしか応募できない) | |
出典: 新規採択率は日本学術振興会「配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在)、応募総額・研究期間・応募資格・受給回数・審査方式・重複制限は「令和9(2027)年度 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」。いずれも2026年8月19日参照。
若手研究の応募資格があるうちは、採択率40.1%の若手研究を優先するのが標準的な考え方です。金額の上限はどちらも500万円以下で同じであるため、通りやすさで選ぶことになります。若手研究は受給が通算2回までに制限され、資格期間も博士の学位取得後8年未満に限られるため、資格のある期間に採択を得ておき、その後に基盤研究(C)へ移る流れになります。
同一年度に基盤研究(C)と若手研究へ重複応募することはできません。両方を出して通った方を取る、という戦い方は制度上できないため、資格の残り年数と研究計画の熟度を見て、その年にどちらへ出すかを決める必要があります。
11. よくある質問(FAQ)
基盤研究(C)の採択率は何%ですか。
令和8(2026)年度の新規採択率は25.9%です(新規応募47,969件、新規採択12,419件)。令和5年度27.4%、令和6年度27.5%、令和7年度27.4%と3年間27%台で推移してきましたが、令和8年度は1.5ポイント下がりました。応募が1,472件増えた一方で採択が337件減ったためです。
基盤研究(C)の採択率は分野によってどのくらい違いますか。
令和7(2025)年度の新規採択分を306の小区分ごとに見ると、最も高いのは幾何学関連の33.0%(応募179件・採択59件)、最も低いのはナノ構造物理関連と自然人類学関連の20.0%(いずれも応募15件・採択3件)で、13.0ポイントの開きがあります。306区分の採択率の中央値は26.8%で、30%以上の区分が21、25%未満の区分が19あります。応募件数が200件以上の区分に限ると、高いのは日本文学関連31.4%、英文学および英語圏文学関連30.5%、言語学関連30.2%、低いのは神経内科学関連25.4%、獣医学関連25.5%、人体病理学関連25.6%です。
基盤研究(C)はいくらまで応募できますか。実際にはいくら配分されますか。
応募総額は500万円以下で、これは研究期間全体を通じた総額です。研究期間は3年から5年です。令和8(2026)年度に新規採択された課題への配分額は、1課題当たり平均1,245千円、最高3,800千円でした。これは当該年度の当初計画に対する配分額であり、研究期間全体の総額ではありません。新規採択分の配分総額は15,463,500千円で、このほかに間接経費4,639,050千円(直接経費の30%)が措置されています。
基盤研究(C)と基盤研究(B)は何が違いますか。
違いは金額と審査委員の人数です。応募総額は基盤研究(C)が500万円以下、基盤研究(B)が500万円以上2,000万円以下で、令和8年度の1課題当たり平均配分額は1,245千円と5,240千円でした。審査はどちらも小区分ごとの2段階書面審査ですが、審査委員は基盤研究(C)が3名、基盤研究(B)が5名です(基盤研究(B)の一部の小区分は複数小区分の合同審査を6名から9名で実施)。研究期間は両方とも3年から5年、会計上はどちらも学術研究助成基金助成金です。令和8年度の新規採択率は基盤研究(C)が25.9%、基盤研究(B)が24.9%で、大きな差はありません。
基盤研究(C)と若手研究は同時に応募できますか。
できません。令和9(2027)年度公募の「別表1 重複制限一覧表」では、基盤研究(C)と若手研究(1回目・2回目とも)の組み合わせは「×」、すなわち一つの研究課題にのみ応募できる関係です。基盤研究(C)の継続研究課題を持っている場合も、若手研究に新規応募することはできません。令和8年度の新規採択率は若手研究が40.1%、基盤研究(C)が25.9%なので、若手研究の応募資格(博士の学位取得後8年未満)があるうちは若手研究を選ぶのが標準的な考え方です。
基盤研究(C)と挑戦的研究(萌芽)は重複して応募できますか。
令和9(2027)年度公募から、採択年度の4月1日現在で39歳以下の研究者に限り、挑戦的研究(萌芽)と基盤研究(C)の重複応募・受給制限が緩和され、双方に応募できるようになりました。40歳以上の研究者は従来どおり「×」で、どちらか一方にしか応募できません。なお挑戦的研究は基盤研究とは審査基準が異なり、重複応募できる場合でも応募する研究計画は基盤研究(C)とは異なる研究内容に限られます。
基盤研究(C)と基盤研究(A)や(B)、挑戦的研究(開拓)には重複応募できますか。
いずれもできません。令和9年度公募の重複制限一覧表では、基盤研究(C)と基盤研究(S)、基盤研究(A)、基盤研究(B)、挑戦的研究(開拓)の組み合わせはすべて「×」で、どちらか一方にしか応募できません。一方、学術変革領域研究(A)(B)の総括班・計画研究・公募研究は空欄で、双方に応募できます。特別推進研究は「□」で、双方に応募できるものの、双方採択となった場合は特別推進研究のみを実施します。研究分担者として他の課題に参画することは、基盤研究(C)の研究代表者であっても通常自由です。
基盤研究(C)に応募資格の制限はありますか。年齢制限は。
年齢や学位取得後の年数による制限はありません。科研費の応募資格を有する研究者であれば応募でき、受給回数の制限もありません。この点が、博士の学位取得後8年未満に限られ受給が通算2回までに制限される若手研究との大きな違いです。
基盤研究(C)の審査はどう行われますか。面接はありますか。
面接はありません。基盤研究(C)は小区分ごとに3名の審査委員が2段階にわたり書面審査を行い、合議審査は行いません(2段階書面審査)。基盤研究(B)は同じ2段階書面審査ですが審査委員は5名、基盤研究(A)は中区分ごとに7名から8名の審査委員による総合審査(書面審査および合議審査)で、種目ごとに方式が異なります。審査ではresearchmapおよびKAKENの掲載情報を必要に応じて参照する取扱いになっています。
不採択だった場合、審査結果はどこまで開示されますか。
基盤研究(C)で採択されなかった研究代表者のうち開示を希望する者に対して、1段階目の審査の結果として、小区分におけるおおよその順位、各評定要素に係る審査委員の素点(平均点)、および「定型所見」が電子申請システムにより開示されます。開示される項目は種目ごとに異なり、基盤研究(A)では中区分におけるおおよその順位と審査結果の所見が開示されます。
基盤研究(C)の令和9年度の締切と結果発表はいつですか。
公募開始が2026年7月14日、研究計画調書の提出(送信)期限が2026年9月17日(木)午後4時30分(厳守)、審査結果通知が2027年2月26日、交付内定が2027年4月上旬の予定です。期限より後に提出された課題はいかなる理由でも受理されません。機関内の締切はこれより前に設定されるため、所属機関にご確認ください。
国際・若手支援強化枠とは何ですか。
令和7(2025)年度公募より、基盤研究(A・B・C)に「研究課題の国際性」という評定要素が加えられ、研究計画調書の「1 研究目的、研究方法など」の欄に研究提案がどのような国際性を有するかを記載することが求められています。この評定要素を活用して、予算の範囲内で国際性の評価が高い研究課題には応募額を尊重した配分が行われるほか、基盤研究(B・C)では若手研究者による国際性の評価が高い研究課題を追加的に採択する「国際・若手支援強化枠」が設けられています。
12. 関連ガイド
- 科研費 基盤研究S・A・Bの金額と採択率: 基盤研究S・A・B・Cを横断で比較
- 科研費の重複制限 早見表(若手・萌芽・基盤Cの併願可否): 種目の組み合わせごとの可否
- 研究費の採択率まとめ2026: 科研費・JST・AMED・民間財団の通過率と倍率
- 研究費の採択結果はいつ発表されるか: 2026年秋から2027年春の発表時期一覧
- 挑戦的研究(萌芽)の採択率22.2%と若手研究の使い分け: 若手研究・挑戦的研究の攻略
- 独立基盤形成支援(試行)とは: 基盤研究(C)・若手研究の採択者向けの研究基盤整備
- 研究活動スタート支援の採択率と結果発表の時期: 新任・育休復帰者向けの春公募
- 研究計画調書の書き方と記入例: 概要10行の書き方と評定要素への対応
- 科研費の締切はいつ?令和9年度は2026年9月17日: 種目別スケジュールの一覧
出典・参考文献
- 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領 基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究」 https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_kiban_2026_g_4978/r9_7_kobo.pdf(2026年8月19日参照。応募総額・研究期間・会計区分・審査区分・審査方式・審査委員数・審査結果の通知と開示・公募スケジュール・研究計画調書の提出期限・国際性の評定要素・国際・若手支援強化枠・別表1 重複制限一覧表)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在、令和8年8月18日更新) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_5144/3-1-1_r8_0818.pdf(2026年8月19日参照。令和8年度と令和7年度の新規応募・新規採択・新規採択率、1課題当たり配分額、配分総額、間接経費)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和7年度 新規採択分)」(令和8年3月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_4795/3-1-1_r7_0330.pdf(2026年8月19日参照。令和7年度と令和6年度の新規応募・新規採択・新規採択率、凡例)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和6年度 新規採択分)」(令和7年3月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_4305/3-1-1_r6_0321.pdf(2026年8月19日参照。令和5年度の新規応募・新規採択・新規採択率)
- 日本学術振興会「配分結果集計表(審査区分別)」(令和7年度、令和8年3月30日更新) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_4551/3-1-2_r7_0330.pdf(2026年8月19日参照。基盤研究(C)新規分の小区分別 応募件数・採択件数)
- 日本学術振興会「科研費データ」 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/27_kdata/index.html(2026年8月19日参照。上記データの掲載元と更新日)
- 日本学術振興会「基盤研究(A・B・C)・挑戦的研究・若手研究」公募情報 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/index.html(2026年8月19日参照。公募情報の掲載元)
- 国立情報学研究所「KAKEN 科学研究費助成事業データベース」 https://kaken.nii.ac.jp/(2026年8月19日参照。過去の採択課題の検索)
最終更新:
検証方針: 本記事の制度・数値は日本学術振興会の公式資料を一次ソースとして確認しています。応募総額・研究期間・審査方式・審査委員数・審査結果の開示内容・公募スケジュール・重複制限は令和9(2027)年度公募要領PDFの記載を参照しました。全体の採択率と配分額は「配分状況一覧」の掲載値、小区分別の採択率は「配分結果集計表(審査区分別)」に掲載された応募件数と採択件数から研究費サーチが算出した値です(同表には採択率の列がありません)。小区分別の集計は令和7年度が最新の公表分であり、令和8年度分は本記事の更新時点で未公表です。機関内締切の目安は制度上定められた値ではなく一般的な運用の説明であり、正確な日程は所属機関にご確認ください。応募前には必ず該当年度の公募要領で最新情報をご確認ください。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ず各機関の公式サイトでご確認ください。