科研費「若手研究」に応募できるのは、令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位取得後8年未満の研究者です(令和9年4月1日までに取得見込みの者を含む)。かつての年齢要件(39歳以下)は平成30(2018)年度公募で撤廃されており、現在は年齢による制限はありません。令和8(2026)年度の新規採択率は40.1%(新規応募14,771件・新規採択5,928件、令和8年8月現在の確定値)で、応募総額は500万円以下、受給は通算2回までに制限されています。
本ガイドは、若手研究について検索される問い、応募資格は学位取得後何年までか、採択率は何%か、金額はいくらか、何回受給できるか、他の種目と重複応募できるかに絞って答えます。数値はすべて日本学術振興会の令和9(2027)年度公募要領と文部科学省の配分結果資料から取り、出典を各表に添えました。令和8年度の値は2026年8月18日公表の「令和8年度科学研究費助成事業の配分について(第2回)」(令和8年8月現在)に基づきます。
この記事の要点
- 応募資格は令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位取得後8年未満。取得見込みの者を含み、産前産後の休暇・未就学児の養育期間は除算できる
- 年齢制限はない。年齢要件(39歳以下)は平成30(2018)年度公募で撤廃され、学位取得後の年数による要件に変わった
- 令和8年度の新規採択率は40.1%(応募14,771件・採択5,928件)。5年間40%台で安定
- 応募総額は500万円以下(研究期間全体)、研究期間は2年から5年。令和8年度の配分額は研究期間全体で平均3,264千円
- 受給は通算2回まで。一度でも基盤研究(S・A・B・C)を研究代表者として新規に受給すると若手研究には応募できない
- 基盤研究(C)とは重複応募できない。受給2回目としての応募に限り、基盤研究(S・A・B)とは双方に応募できる
- 令和9年度公募の提出期限は2026年9月17日(木)午後4時30分(厳守)、審査結果通知は2027年2月26日の予定
1. 応募資格(博士の学位取得後8年未満)
令和9(2027)年度公募要領は、若手研究の対象を「令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位を取得後8年未満の研究者(※)が一人で行う将来の発展が期待できる優れた着想を持つ研究計画」と定めています。基準日は応募時点ではなく採択年度の初日である令和9年4月1日です。注記により、次の二つの場合も応募資格に含まれます。
- 博士の学位を取得見込みの者: 令和9(2027)年4月1日までに博士の学位を取得する見込みであれば、応募時に学位を持っていなくても応募できます
- 産前産後の休暇・未就学児の養育期間がある者: 博士の学位取得後に産前産後の休暇を取得した場合、または未就学児を養育していた場合は、当該期間を除くと学位取得後8年未満となる者を含みます。「未就学児」の対象は民法上の解釈に即した応募者本人の子(実子、非嫡出子または養子)です
e-Radの応募手続き上は、応募要件が次の三つの区分で示されます。要件(1)または(3)で応募する場合は、応募時までにe-Radへ「博士の学位取得日」が登録されている必要があります。この登録は研究者本人ではなく研究機関の事務担当者が行います。博士の学位を複数持つ場合は最初の取得日を登録します。
表1. 令和9(2027)年度公募における若手研究の応募要件(e-Rad上の区分)
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| (1) | 令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位取得後8年未満の者(平成31(2019)年4月2日から応募時までに博士の学位を取得した者) |
| (2) | 応募時に博士の学位を取得しておらず、令和9(2027)年4月1日までに博士の学位を取得する予定の者 |
| (3) | 令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位取得後に産前産後の休暇を取得または未就学児を養育していた期間を考慮すると、博士の学位取得後8年未満となる者(取得期間または養育期間の和を年度単位に繰り上げて、博士取得後の年数から除く) |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」の若手研究に係る応募要件(2026年8月27日参照)。
公募要領は若手研究の目的・意義を、「経験の少ない研究者に研究費を得る機会を与え、研究者として良いスタートを切れるように支援すること」、そして「研究者が十分に力を蓄えていない段階であっても、支援をすることにより、多様な試みの中から本当に育つべきものがしっかりとした足掛かりを得、将来の斬新な研究につながっていくようにすること」と説明しています。研究組織は研究者が一人で行う研究に限られ、研究分担者を置く種目ではありません。
2. 年齢制限が無い理由(平成30年度公募での撤廃の経緯)
若手研究の応募要件は、かつては「39歳以下」という年齢によるものでした。これが現在の「博士の学位取得後の年数」に変わったのは平成30(2018)年度公募(平成29年9月公募開始分)からです。文部科学省の事務連絡は変更の根拠を次のように説明しています。
平成28年12月20日にまとめられた審議会の報告書では、若手研究者のキャリア形成に係る多様なニーズに的確に応えるなどの観点から、「若手研究」の応募要件を従来の「年齢」から「博士の学位取得後の年数」によるものに見直すことが適当と提言されております。これに基づき、平成30年度公募(平成29年9月予定)より、「若手研究」の応募要件を「博士の学位取得後の年数」によるものとし、その確認はe-Radに登録された博士の学位取得日の情報をもとに行います。
ここで参照されている報告書は、科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会「科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について」(平成28年12月20日)です。この変更に伴い、同時期の事務連絡は「平成30年4月1日現在、39歳以下であっても、博士の学位取得後8年以上の研究者は原則として『若手研究』への応募はできません」と注意を促していました。つまりこの変更は、年齢が若くても学位取得から時間が経った研究者を対象から外し、逆に学位取得が遅かった研究者には年齢に関係なく応募の道を開くものです。
令和9(2027)年度公募要領の応募要件にも、年齢による区分は存在しません。社会人経験を経て博士の学位を取得した研究者は、取得時の年齢にかかわらず、取得後8年未満であれば応募できます。
3. 採択率40.1%と5年推移
若手研究の新規採択率は、令和8(2026)年度が40.1%です(新規応募14,771件・新規採択5,928件。令和8年8月現在、2026年8月18日公表の確定値)。文部科学省の配分結果は次のように記述しています。
「若手研究」については、新規応募件数は1万4,771件で、前年度よりも888件(6.4%)増加し、新規採択件数は5,928件で、前年度よりも343件増加しました。新規採択率は40.1%で、前年度の40.2%をわずかに下回りました。
過去5年の推移を並べると、採択率は40.1%から40.4%の間に収まっており、応募件数が令和6年度以降増え続ける中でも40%台が維持されています。応募したうちおよそ5人に2人が採択される水準が続いていることになります。
表2. 若手研究の新規採択実績(令和4年度から令和8年度)
| 年度 | 新規応募(件) | 新規採択(件) | 新規採択率 |
|---|---|---|---|
| 令和4(2022)年度 | 13,142 | 5,293 | 40.3% |
| 令和5(2023)年度 | 13,060 | 5,274 | 40.4% |
| 令和6(2024)年度 | 13,207 | 5,290 | 40.1% |
| 令和7(2025)年度 | 13,883 | 5,585 | 40.2% |
| 令和8(2026)年度 | 14,771 | 5,928 | 40.1% |
出典: 文部科学省「令和8年度科学研究費助成事業の配分について(第2回)」(令和8年8月現在、2026年8月18日公表)、「令和7年度科学研究費助成事業の配分について(第3回)」(令和8年3月現在)、「令和6年度 同(第3回)」(令和7年3月現在)、「令和5年度 同(第3回)」(令和6年3月現在)、「令和4年度 同(第2回)」(令和5年3月現在)の配分状況一覧に掲載された新規応募・新規採択・新規採択率の公表値です(いずれも2026年8月27日参照)。令和8年度の値は令和8年8月現在の集計で、令和9年3月頃の次回公表で更新される可能性があります。
科研費の他の種目や、JST・AMED・民間財団も含めた採択率の水準と比べたい場合は、基盤研究(C)の採択率を扱った基盤研究(C)の採択率と金額のガイドと、基盤研究S・A・Bを横断で比較した科研費 基盤研究S・A・Bの金額と採択率をあわせてご覧ください。
4. 金額500万円以下と実際の配分額
若手研究の応募総額は500万円以下、研究期間は2年から5年です。この500万円は研究期間全体を通じた総額であり、単年度の上限ではありません。会計上は学術研究助成基金助成金(基金)に区分され、年度をまたいだ使用が制度上認められています。審査は小区分ごとに3名の審査委員による2段階書面審査で、合議審査は行われません。
実際の配分額には二つの見方があります。研究期間全体の配分額と、当該年度の当初計画に対する配分額です。基金種目のため両方が公表されており、混同しやすいので分けて示します。
表3. 若手研究の応募条件と令和8年度の配分実績
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募総額 | 500万円以下(研究期間全体の総額) |
| 研究期間 | 2年から5年 |
| 研究組織 | 研究者が一人で行う研究 |
| 会計の区分 | 学術研究助成基金助成金(基金) |
| 審査方式 | 小区分ごとの2段階書面審査(審査委員3名、合議審査なし) |
| 令和8年度 1課題当たり配分額(研究期間全体) | 平均3,264千円 / 最高3,700千円 |
| 令和8年度 1課題当たり配分額(当該年度の当初計画分) | 平均1,349千円 / 最高3,400千円 |
| 令和8年度 新規採択分の配分総額(研究期間全体) | 19,347,300千円(このほかに間接経費5,804,190千円) |
| 令和8年度 新規採択分の配分総額(当該年度の当初計画分) | 7,999,200千円(このほかに間接経費2,399,760千円) |
出典: 応募総額・研究期間・研究組織・会計区分・審査方式は日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領」、配分額は文部科学省「令和8年度科学研究費助成事業の配分について(第2回)」の配分状況一覧(令和8年度新規採択分)および基金分配分状況一覧(研究期間全体)(令和8年8月現在、2026年8月18日公表)。いずれも2026年8月27日参照。配分額は直接経費で、間接経費は別枠(外数)です。
実態に近いのは研究期間全体の平均3,264千円です。応募総額の上限500万円に対して、採択された課題が研究期間全体で受け取る直接経費の平均はその6割強の水準にあります。当該年度分の平均1,349千円は初年度の当初計画に対する配分額であり、研究期間全体の額と混同しないよう注意してください。間接経費は研究者が使う研究費ではなく、研究機関に措置される経費です。研究計画調書で経費をどう組み立てるかは研究計画調書の書き方と記入例で解説しています。
5. 受給は通算2回まで
若手研究には受給回数の制限があります。公募要領は次のように定めています。
従前より、「若手研究」及び「若手研究(S・A・B)」を通じて、同一研究者の受給回数を2回までに制限しています(「受給」とは、研究課題が採択され「交付決定を受けること」を指します。)。そのため、令和8(2026)年度公募までに、「若手研究」や「若手研究(S・A・B)」のいずれかを既に2回受給している場合は、令和9(2027)年度公募において「若手研究」に応募することはできません。
「受給」に数えるかどうかの線引きは交付決定です。新規応募研究課題の交付内定を受けた後、交付申請を辞退し交付決定を受けなかった場合(交付申請を留保した後に辞退する場合を含む)は受給に含まれません。一方、交付決定を受けた後に研究期間の途中で交付申請の辞退または研究廃止をした場合は受給に含まれます。途中でやめても1回と数えられるため、受給枠の使い方は研究期間の設計と合わせて考える必要があります。
この制限の由来は、科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会「科学研究費補助金に関し当面講ずべき措置について」(平成21年7月16日)です。審議会で「若手研究」から「基盤研究」への移行を進める考え方が整理され、平成22(2010)年度公募から受給回数制限等の導入が提言されました。若手研究は基盤研究への入口として設計されており、2回の受給を終えた後は基盤研究へ移る流れが制度上想定されています。
6. 基盤研究を受給すると若手研究に応募できない
受給回数と並ぶもう一つの制限が、基盤研究の受給歴による応募制限です。公募要領は次のように定めています。
一度「基盤研究」(S・A・B・C)を受給した者については、「若手研究」への応募を認めないこととします。具体的には、平成22(2010)年度以降に「基盤研究(S・A・B・C)(特設分野研究、海外学術調査含む)」を研究代表者として新規に受給した研究者は、令和3(2021)年度公募から「若手研究」に応募することはできません。
この規定の実務上の意味は、応募する順序が一方通行であるということです。若手研究の応募資格(博士の学位取得後8年未満)が残っている段階で基盤研究(C)などに研究代表者として採択されると、その後は資格年数が残っていても若手研究には応募できません。受給回数2回の枠を使い切っていなくても同じです。若手研究と基盤研究のどちらへ出すかを毎年選ぶ際は、この不可逆性を前提に置く必要があります。両種目の比較は第9節で扱います。なお、研究分担者として基盤研究に参画した場合はここでいう受給に当たりません(制限の対象は研究代表者としての新規受給です)。
7. 重複応募できる種目とできない種目
同じ年度に若手研究と他の種目へ研究代表者として応募できるかどうかは、公募要領の「別表1 重複制限一覧表」で決まっています。若手研究では、受給1回目としての応募か、受給2回目としての応募かで制限が異なります。令和9(2027)年度公募の一覧表を若手研究を軸に読み替えると、次のとおりです。
表4. 若手研究に研究代表者として新規応募する場合の重複制限(令和9年度公募)
| 同じ年度に研究代表者として応募したい種目 | 受給1回目としての応募 | 受給2回目としての応募 |
|---|---|---|
| 特別推進研究 | 双方に応募できる(□。双方採択なら特別推進研究を実施) | 双方に応募できる(□) |
| 基盤研究(S) | どちらか一方のみ(×) | 双方に応募できる(□。双方採択なら基盤研究を実施) |
| 基盤研究(A) | どちらか一方のみ(×) | 双方に応募できる(□。双方採択なら基盤研究を実施) |
| 基盤研究(B) | どちらか一方のみ(×) | 双方に応募できる(□。双方採択なら基盤研究を実施) |
| 基盤研究(C) | どちらか一方のみ(×) | どちらか一方のみ(×) |
| 若手研究をもう1件 | 同一の研究種目には一つの研究課題にのみ応募できる(同一種目の記号) | |
| 挑戦的研究(開拓) | どちらか一方のみ(×) | 双方に応募できる(空欄。令和5年度公募からの緩和) |
| 挑戦的研究(萌芽) | どちらか一方のみ(×) | どちらか一方のみ(×) |
| 学術変革領域研究(A)(B) | 双方に応募できる(空欄) | 双方に応募できる(空欄) |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領」別表1「重複制限一覧表」1-1(研究代表者→研究代表者型)の若手研究(新規)の行(2026年8月27日参照)。同表の凡例では、空欄が「双方の研究課題とも応募できる」、×が「一つの研究課題にのみ応募できる(甲欄の研究課題に応募した場合には、乙欄の研究課題に応募できない)」、□が「双方の研究課題とも応募できるが、双方採択となった場合には一方の研究課題の研究のみ実施する」、同一種目の記号が「同一の研究種目(応募区分)においては、一つの研究課題にのみ応募できる」を表します。「受給2回目としての応募」の行は、同表の注記「受給回数2回目の『若手研究』に応募可能な場合が該当します」に対応する行です。
7-1. 受給2回目は基盤研究(S・A・B)と両にらみができる
受給1回目として応募する場合、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)とはすべて「×」で、どちらか一方にしか応募できません。一方、受給2回目として応募する場合は、基盤研究(S・A・B)と双方に応募でき、双方採択となった場合は基盤研究を実施します。若手研究の最後の1回を保険にしつつ基盤研究(B)などへ挑戦する組み方が、制度上認められているということです。ただし基盤研究(C)とは受給1回目・2回目のいずれでも「×」で、双方に応募することはできません。
挑戦的研究(開拓)については、公募要領が「令和5(2023)年度公募から、受給回数2回目の『若手研究』と『挑戦的研究(開拓)』との重複応募・受給制限を緩和しています」と明記しています。挑戦的研究(萌芽)とは受給回数にかかわらず「×」です。挑戦的研究(萌芽)には令和8(2026)年度より「若手支援強化枠」(1,000件程度)が設けられており、令和9年度公募でも適用予定です。萌芽との使い分けの詳細は挑戦的研究(萌芽)の採択率と若手研究の使い分けにまとめています。
なお、研究活動スタート支援は公募時期が別(令和8年度は3月1日公募開始・5月8日締切)で、この一覧表の今回公募種目には新規の行がなく、一覧表上の重複制限セルはありません。スタート支援側の応募要件は同支援の公募要領で別途確認が必要です。制度の概要は研究活動スタート支援の採択率と結果発表の時期をご覧ください。
8. 令和9年度のスケジュールと結果通知
令和9(2027)年度公募の若手研究は、基盤研究(A・B・C)と同じ日程で進みます。公募開始は令和8(2026)年7月14日で、研究計画調書の提出(送信)期限は令和8(2026)年9月17日(木)午後4時30分(厳守)です。公募要領は「いかなる理由であっても、上記の期限より後に提出(送信)された課題は受理しませんので、時間に十分余裕を持って提出(送信)してください」と明記しています。
表5. 令和9(2027)年度 若手研究のスケジュール(予定)
| 段階 | 時期 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8(2026)年7月14日 |
| 研究計画調書の提出(送信)期限 | 令和8(2026)年9月17日(木)午後4時30分(厳守) |
| 審査 | 令和8(2026)年10月から令和9(2027)年1月 |
| 審査結果通知 | 令和9(2027)年2月26日 |
| 交付内定 | 令和9(2027)年4月上旬 |
| 交付申請 | 令和9(2027)年4月下旬 |
| 交付決定 | 令和9(2027)年6月中旬 |
| 送金(前期分) | 令和9(2027)年7月上旬 |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領」の公募スケジュール(予定)および研究計画調書の提出期限(2026年8月27日参照)。予算成立の状況等によっては、交付内定時期が変更されることがあります。
提出期限は日本学術振興会への送信期限であり、研究機関ごとの学内締切はこれより早く設定されます(公募要領も研究機関内の提出期限を事務担当者に確認するよう求めています)。正確な学内締切は所属機関の研究支援担当部署に確認してください。科研費各種目の締切を一覧で確認したい場合は科研費の締切はいつ?令和9年度は2026年9月17日、審査結果が出る時期を他の制度と並べて確認したい場合は研究費の採択結果はいつ発表されるかをご覧ください。
9. 基盤研究(C)との使い分け
若手研究と基盤研究(C)は応募総額の上限がどちらも500万円以下で、同じ年度に双方へ応募することはできません。どちらへ出すかを決める材料は三つあります。
- 資格の期限: 若手研究に応募できるのは博士の学位取得後8年未満の間だけです。基盤研究(C)には学位取得後の年数や年齢による制限がありません
- 回数の制限: 若手研究は通算2回までです。さらに、一度基盤研究(S・A・B・C)を研究代表者として新規に受給すると、以後は若手研究に応募できません(第6節)
- 採択率: 若手研究の令和8年度新規採択率は40.1%です。基盤研究(C)の採択率は基盤研究(C)のガイドで確認できます
制度設計の観点では、受給回数制限の由来となった審議会の整理(第5節)が示すとおり、若手研究から基盤研究への移行が想定されています。応募資格と受給枠が残っているうちは若手研究で採択を得て、資格を使い切った後、または研究規模が大きくなった段階で基盤研究へ移る順序が制度の想定に沿います。逆の順序(先に基盤研究を受給してから若手研究へ)は制度上取れません。
受給2回目としての応募であれば、基盤研究(S・A・B)と両にらみの応募ができる点(第7節)も判断材料になります。現在募集中の公募を横断して探すには研究費サーチをご利用ください。科研費以外にも若手研究者を対象とする助成が検索できます。
10. よくある質問(FAQ)
若手研究の応募資格は博士の学位取得後何年までですか。年齢制限はありますか。
令和9(2027)年度公募の応募要件は、令和9(2027)年4月1日現在で博士の学位取得後8年未満の研究者です。令和9年4月1日までに博士の学位を取得する見込みの者を含みます。博士の学位取得後に産前産後の休暇を取得した期間、または未就学児を養育していた期間は、その期間を除くと8年未満になる場合に応募できます。年齢による制限はありません。かつての年齢要件(39歳以下)は、平成30(2018)年度公募から博士の学位取得後の年数による要件に改められました。
博士の学位を取得見込みでも若手研究に応募できますか。
応募できます。令和9(2027)年度公募の応募要件には「応募時に博士の学位を取得しておらず、令和9(2027)年4月1日までに博士の学位を取得する予定の者」が含まれています。既に学位を持って応募する場合は、応募時までにe-Radへ「博士の学位取得日」を登録しておく必要があり、この登録は研究機関の事務担当者が行います。博士の学位を複数持つ場合は最初の取得日を登録します。
若手研究の採択率は何%ですか。
令和8(2026)年度の新規採択率は40.1%です(新規応募14,771件、新規採択5,928件。令和8年8月現在、2026年8月18日公表の確定値)。令和4年度40.3%、令和5年度40.4%、令和6年度40.1%、令和7年度40.2%と、5年間40%台で安定して推移しています。令和8年度は新規応募件数が前年度より888件(6.4%)増え、新規採択件数も343件増えました。
若手研究の金額はいくらですか。実際にはいくら配分されますか。
応募総額は500万円以下で、これは研究期間全体を通じた総額です。研究期間は2年から5年です。令和8(2026)年度に新規採択された課題への配分額(直接経費)は、研究期間全体で1課題当たり平均3,264千円、最高3,700千円でした。当該年度の当初計画に対する配分額では平均1,349千円、最高3,400千円です(いずれも令和8年8月現在)。このほかに間接経費が別枠で研究機関に措置されます。
若手研究は何回まで受給できますか。
通算2回までです。若手研究およびかつての若手研究(S・A・B)を通じて、同一研究者の受給回数は2回までに制限されています。令和8(2026)年度公募までにいずれかを既に2回受給している場合は、令和9(2027)年度公募において若手研究に応募することはできません。「受給」とは研究課題が採択され交付決定を受けることを指します。交付内定を受けた後に交付申請を辞退し交付決定を受けなかった場合は受給に含まれませんが、交付決定を受けた後に研究期間の途中で交付申請の辞退または研究廃止をした場合は受給に含まれます。
基盤研究を受給したことがあると若手研究に応募できませんか。
応募できません。公募要領は「一度『基盤研究』(S・A・B・C)を受給した者については、『若手研究』への応募を認めないこととします」と定めています。具体的には、平成22(2010)年度以降に基盤研究(S・A・B・C)(特設分野研究、海外学術調査を含む)を研究代表者として新規に受給した研究者は、令和3(2021)年度公募から若手研究に応募できません。若手研究の応募資格が残っている段階で基盤研究に採択されると、以後は若手研究に戻れない点に注意が必要です。
若手研究と基盤研究(C)は同時に応募できますか。
できません。令和9(2027)年度公募の「別表1 重複制限一覧表」では、若手研究(受給1回目・2回目とも)と基盤研究(C)の組み合わせは「×」で、一つの研究課題にのみ応募できる関係です。基盤研究(S・A・B)についても、受給1回目として応募する場合は「×」です。一方、受給2回目として応募する場合に限り、基盤研究(S・A・B)とは双方に応募でき、双方採択となった場合は基盤研究を実施します。また受給2回目の若手研究と挑戦的研究(開拓)は、令和5(2023)年度公募からの緩和により双方に応募できます。
若手研究の結果はいつ通知されますか。
令和9(2027)年度公募では、審査結果通知が令和9(2027)年2月26日、交付内定が令和9年4月上旬の予定です。公募要領にはその後の流れとして、4月下旬に交付申請、6月中旬に交付決定、7月上旬に前期分の送金という予定が示されています。予算成立の状況等によっては交付内定の時期が変更されることがあります。研究計画調書の提出(送信)期限は令和8(2026)年9月17日(木)午後4時30分(厳守)です。
11. 関連ガイド
- 基盤研究(C)の採択率と金額(重複応募の可否と基盤研究(B)との違い): 若手研究の次に受ける種目の定番
- 科研費 基盤研究S・A・Bの金額と採択率: 基盤研究4区分の横断比較
- 挑戦的研究(萌芽)の採択率と若手研究の使い分け: 萌芽・開拓との併願戦略
- 科研費の重複制限 早見表(若手・萌芽・基盤Cの併願可否): 種目の組み合わせごとの可否
- 研究活動スタート支援の採択率と結果発表の時期: 新任・育休復帰者向けの春公募
- 科研費の締切はいつ?令和9年度は2026年9月17日: 種目別スケジュールの一覧
- 研究費の採択結果はいつ発表されるか: 2026年秋から2027年春の発表時期一覧
- 研究計画調書の書き方と記入例: 概要10行の書き方と評定要素への対応
出典・参考文献
- 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領 基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究」 https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_kiban_2026_g_4978/r9_7_kobo.pdf(2026年8月27日参照。若手研究の応募要件・応募総額・研究期間・審査方式・受給回数制限・基盤研究受給者の応募制限・e-Rad登録要件・公募スケジュール・研究計画調書の提出期限)
- 日本学術振興会 別表1「重複制限一覧表」(令和9年度公募) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_kiban_2026_g_4978/table_of_restriction.pdf(2026年8月27日参照。若手研究(新規・受給1回目/2回目)の行の重複制限)
- 日本学術振興会「科研費(基盤研究等)公募情報」 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/kiban.html(2026年8月27日参照。令和9年度公募の公募期間)
- 文部科学省「令和8年度科学研究費助成事業の配分について(第2回)」(令和8年8月現在、2026年8月18日公表) https://www.mext.go.jp/content/20260806-mxt_gakjokik-000051486_01.pdf(2026年8月27日参照。令和8年度の新規応募・新規採択・新規採択率、配分額(当初計画分・研究期間全体)、間接経費)
- 文部科学省「令和7年度科学研究費助成事業の配分について(第3回)」(令和8年3月現在、2026年3月27日公表) https://www.mext.go.jp/content/20260327-mxt_gakjokik-000048532_1.pdf(2026年8月27日参照。令和7年度の新規応募・新規採択・新規採択率)
- 文部科学省「令和6年度科学研究費助成事業の配分について(第3回)」(令和7年3月現在、2025年3月21日公表) https://www.mext.go.jp/content/20250321-mxt_gakjokik-000040929_1.pdf(2026年8月27日参照。令和6年度の新規応募・新規採択・新規採択率)
- 文部科学省「令和5年度科学研究費助成事業の配分について(第3回)」(令和6年3月現在、2024年3月27日公表) https://www.mext.go.jp/content/20240327-mxt_gakjokik-000034773_1.pdf(2026年8月27日参照。令和5年度の新規応募・新規採択・新規採択率)
- 文部科学省「令和4年度科学研究費助成事業の配分について(第2回)」(令和5年3月現在、2023年3月17日公表) https://www.mext.go.jp/content/20230317-mxt_gakjokik-000028066_3.pdf(2026年8月27日参照。令和4年度の新規応募・新規採択・新規採択率)
- 文部科学省「科学研究費助成事業(若手研究)の応募要件の変更に伴う府省共通研究開発システム(e-Rad)への登録作業について」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1385136_00005.htm(2026年8月27日参照。平成29年7月6日付・7月28日付事務連絡。年齢要件から博士の学位取得後の年数への変更の経緯)
- 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会「科学研究費補助金に関し当面講ずべき措置について(これまでの審議のまとめ)」(平成21年7月16日) https://www.mext.go.jp/content/1283490_01.pdf(2026年8月27日参照。受給回数制限の由来)
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検証方針: 本記事の制度・数値は日本学術振興会と文部科学省の公式資料を一次ソースとして確認しています。応募要件・応募総額・研究期間・審査方式・受給回数制限・重複制限・公募スケジュールは令和9(2027)年度公募要領および別表1「重複制限一覧表」の記載を参照しました。採択率と配分額はいずれも公表資料の掲載値をそのまま転記しており、本サイトによる計算値は含みません。令和8年度の値は令和8年8月現在(2026年8月18日公表)の集計で、令和9年3月頃に予定される次回公表で更新される可能性があります。年齢要件撤廃の経緯は文部科学省の事務連絡(平成29年7月)の記載に基づきます。応募前には必ず該当年度の公募要領で最新情報をご確認ください。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ず各機関の公式サイトにご確認ください。