AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)は、日本の医療分野の研究開発を統括する資金配分機関です。2015年の設立以来、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省にまたがっていた医療研究予算を集約し、基礎研究から臨床応用・実用化まで切れ目なく支援しています。
本ガイドでは、AMEDの主要プログラムの全体像、応募方法、採択のポイントを、AMED公式サイトを一次ソースとして整理します。金額・締切・件数などの数値は記事末尾の出典一覧に対応しています。
この記事の要点
- AMEDは医療・ライフサイエンスに特化し、基礎から実用化まで一貫支援する国のトップダウン型資金配分機関
- 科研費(ボトムアップ型・補助金)と異なり、多くの事業で委託研究開発契約に基づく委託費として支給される
- 令和8年度AMED-CRESTは1課題総額3億円以下・最長5.5年、PRIMEは4,000万円以下・最長3.5年(いずれも受付終了)
- 採択率は事業・年度で大きく異なるため、公式の採択課題公表ページで実数を確認するのが確実
- 数値の出典は末尾の出典一覧を参照
1. AMEDとは(設立の背景と役割)
AMED(Japan Agency for Medical Research and Development)は、2015年4月1日に設立された国立研究開発法人です。内閣総理大臣を本部長とする健康・医療戦略推進本部の下、医療分野の研究開発とその環境整備を総合的に推進する司令塔としての役割を担っています。
1-1. 設立の背景
AMED設立以前は、文部科学省(基礎研究)、厚生労働省(臨床研究)、経済産業省(実用化・産業化)がそれぞれ独自に医療分野の研究開発を推進していました。しかし省庁間の連携不足により、基礎研究の成果が臨床応用・実用化につながりにくいという課題(いわゆる死の谷)がありました。AMEDは3省の医療研究予算を集約し、基礎から実用化まで一貫した支援体制を構築するために設立されました。
1-2. 基本情報
| 正式名称 | 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 |
| 英語名 | Japan Agency for Medical Research and Development (AMED) |
| 設立日 | 2015年4月1日 |
| 所在地 | 東京都千代田区大手町1-7-1 |
| 職員数 | 791名(2026年4月1日現在、役員含む) |
| 2026年度予算 | 補助金 約1,169億円、運営費交付金 約67億円、調整費 約175億円 |
| 中長期計画 | 第3期中長期計画(2025年4月開始) |
出典: AMED「基本情報」(2026年7月3日参照)。
1-3. 主要な資金配分機関との違い
| 機関 | 主な所管 | 主な対象分野 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| AMED | 3省連携(内閣府調整) | 医療・ライフサイエンス | 医療分野に特化。基礎から臨床・実用化まで一貫支援。トップダウン型・委託費が中心 |
| JST | 文部科学省 | 科学技術全般 | 基礎研究中心。CREST・さきがけ等 |
| JSPS | 文部科学省 | 学術研究全般 | 科研費を運営。ボトムアップ型・補助金 |
| NEDO | 経済産業省 | エネルギー・産業技術 | 実用化・産業化志向。企業連携が中心 |
出典: AMED「AMEDについて」、各機関公式サイト(2026年7月3日参照)。
科研費との違いを整理すると、科研費(JSPSが運営)は研究者が自由に課題を提案するボトムアップ型で、資金は補助金として交付されます。一方AMEDは、国が研究開発目標や領域を設定するトップダウン型が中心で、多くの事業が委託研究開発契約に基づく委託費として支給され、医療への実用化を強く意識した審査が行われます。両者は重複受給に制限がある場合があるため、応募前に各公募要領で確認が必要です。
AMEDの最大の特徴は、医療分野に特化し、基礎研究から前臨床、臨床研究、実用化までの全段階を一つの機関で切れ目なく支援できる点です。研究の進捗に応じて適切なプログラムへ橋渡しするプログラムディレクター(PD)・プログラムオフィサー(PO)の仕組みも整っています。
2. 事業体系と主要プロジェクト
AMEDは統合プロジェクトとして、以下の6つの大きなプロジェクトを柱に事業を展開しています。各プロジェクトの下に複数の研究事業が設けられています。
| 統合プロジェクト | 主な対象領域 | 代表的な事業 |
|---|---|---|
| 医薬品プロジェクト | 創薬・医薬品開発 | 創薬基盤推進研究事業、次世代がん医療加速化研究事業、創薬ベンチャーエコシステム強化事業 |
| 医療機器・ヘルスケアプロジェクト | 医療機器・AI・デジタルヘルス | 医工連携グローバル展開事業、医療機器等研究成果展開事業 |
| 再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト | 再生医療・細胞治療・遺伝子治療 | 再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム、再生医療等実用化研究事業 |
| データ利活用・ライフコースプロジェクト | ゲノム医療・バイオバンク・データ基盤 | ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム、ゲノム創薬基盤利活用推進研究事業 |
| 疾患基礎研究プロジェクト | 難病・感染症・脳科学・免疫アレルギー | 新興・再興感染症研究基盤創生事業、脳神経科学統合プログラム、難治性疾患実用化研究事業 |
| シーズ開発・研究基盤プロジェクト | 基礎研究支援・人材育成 | 革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST、PRIME)、橋渡し研究プログラム |
出典: AMED「事業紹介」(2026年7月3日参照)。プロジェクト体系や事業の所属は改定される場合があります。
3. 主要プログラム詳細解説
3-1. 革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST、PRIME)
医療分野の画期的シーズの創出を目指す基礎研究支援事業です。国が定めた研究開発目標の下、大学等の研究者から提案を募ります。ユニットタイプ(AMED-CREST)はチーム型、ソロタイプ(PRIME)は個人型です。
- AMED-CREST(ユニットタイプ): 研究開発代表者を中心とするユニット(研究者集団)で推進。令和8年度公募では1課題当たり総額3億円以下、実施期間は最長5.5年(令和8年度〜令和13年度)
- PRIME(ソロタイプ): 研究開発代表者が個人で推進。令和8年度公募では1課題当たり総額4,000万円以下、実施期間は最長3.5年(令和8年度〜令和11年度)
- 令和8年度の研究開発領域: 「核酸機能の解明と拡張に基づく生命フロンティアの開拓と次世代医療に資する基盤技術の創出」「元気につながる生命現象の解明と制御」「性差・個人差の機構解明と予測技術の創出」の3領域
- 令和8年度公募: 令和8年4月2日開始、令和8年5月28日正午締切(受付終了)。最新の公募は公式サイトでご確認ください
出典: AMED「令和8年度 革新的先端研究開発支援事業ユニットタイプ(AMED-CREST)及びソロタイプ(PRIME)に係る公募について」(2026年7月3日参照)。
3-2. 創薬支援推進事業・創薬基盤推進研究事業
創薬の全過程を支援する事業群です。
- 創薬基盤推進研究事業: 創薬研究の迅速化・効率化に資する基盤研究を支援。技術、資源、人材の視点から革新的な薬剤創製につながる研究を推進
- スマートバイオ創薬等研究支援事業: AI・計算科学を活用した創薬研究を支援。次世代創薬の基盤技術開発
- 創薬支援推進事業(創薬支援ネットワーク): 大学等の創薬シーズを企業導出可能なステージまで伴走支援。技術支援、非臨床試験、知財管理等
- 創薬ベンチャーエコシステム強化事業: 創薬ベンチャーの成長を支援(イノベーション・エコシステムプロジェクトに含まれる)
3-3. 再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム
iPS細胞をはじめとする日本発の再生医療技術の臨床応用・実用化を推進する事業です。
- 基礎応用研究課題: 再生医療・遺伝子治療の基盤となる基礎研究から応用研究まで。若手育成枠あり
- 疾患特異的iPS細胞研究課題: 患者由来iPS細胞を用いた疾患メカニズム解明・創薬研究
- 再生医療等実用化研究事業: 臨床研究・治験段階の再生医療等製品の開発支援
- 再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業: 企業による産業化・製造技術基盤を支援
3-4. ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム
大規模バイオバンクとゲノム情報を活用し、個人の遺伝的背景に基づく次世代医療(ゲノム医療)の実現を目指します。
- ゲノム医療実現推進プラットフォーム: ゲノム医療の基盤整備と研究推進
- ゲノム研究バイオバンク: 大規模ゲノムコホートの構築・運営
- ゲノム創薬基盤利活用推進研究事業: ゲノム情報を創薬に活かす研究を支援
- 次世代医療実現バイオバンク利活用プログラム: バイオバンク試料・情報の利活用による研究推進
3-5. 新興・再興感染症研究基盤創生事業
COVID-19の教訓を踏まえ、将来の感染症危機に備える研究基盤の構築を目指す事業です。
- 海外拠点活用研究領域: 海外研究拠点における患者検体・病原体データ等を活用した研究
- 多分野融合研究領域: 感染症研究分野を超えた多様な研究領域の研究者による革新的研究
- 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業: ワクチン・治療薬の開発支援
- SCARDA(先進的研究開発戦略センター): ワクチン開発の司令塔機能を担う組織
3-6. 次世代がん医療加速化研究事業(P-PROMOTE)
「がん研究10か年戦略」に基づき、がんの根治・予防・共生の観点から研究を推進します。事業期間は令和4年度から令和10年度までの7年間です。
- 探索研究フェーズ: シーズ探索や創薬ツール開発のための基礎研究
- 応用研究フェーズ: 有望なシーズの検証と実用化に向けた加速研究
- 特徴: 革新性・独自性が高く国際競争力のある基礎研究を深化させ、次世代がん治療・診断法の社会実装を目指す
出典: AMED「次世代がん医療加速化研究事業(P-PROMOTE)」(2026年7月3日参照)。
3-7. 脳神経科学統合プログラム
脳機能に関わる生命現象の解明と、精神・神経疾患の克服を目指す研究プログラムです。
- 個別重点研究課題: 特定の脳神経科学テーマに焦点を当てた重点研究
- 研究・実用化支援: 脳科学研究の基盤技術開発と成果の実用化支援
- 対象領域: 認知症、うつ病、統合失調症、発達障害、神経変性疾患 など
3-8. 医工連携・AI活用推進事業
医療分野におけるAI技術や工学技術の活用を推進する事業群です。
- 医工連携・人工知能実装研究事業: 産学連携によるAI技術の医療応用研究。早期発見・診断技術の開発に重点
- 医工連携グローバル展開事業: 日本発の医療機器・技術のグローバル展開を支援
- 医療機器等研究成果展開事業: 大学等の研究成果を医療機器として実用化。チャレンジタイプ(若手・女性研究者枠)あり
- 次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業: ヘルスケア分野のスタートアップを支援
4. 2026年7月時点で募集中の公募
2026年7月3日時点でAMED公募情報一覧に掲載されている、締切が近い主な公募を整理します。AMEDの公募は締切・受付状況が頻繁に更新されるため、応募前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
| 事業名 | 締切 | 備考 |
|---|---|---|
| 感染症危機対応医薬品等の研究開発プラットフォーム事業 | 2026年7月3日 | |
| 次世代がん医療加速化研究事業(3次公募) | 2026年7月6日 | |
| 再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(製造技術基盤) | 2026年7月10日 | 企業・産業化向け |
| 革新的がん医療実用化研究事業(3次公募) | 2026年7月22日 | |
| ワクチン・新規モダリティ・治療薬等研究開発事業 | 2026年7月24日 | |
| 地球規模保健課題解決推進のための研究事業(日米医学協力計画) | 2026年8月21日 | 国際共同研究・若手あり |
出典: AMED「公募情報一覧」(2026年7月3日参照)。締切日時・受付状況の最新は公式サイトで確認してください。
5. 応募資格と対象者
AMEDの応募資格は事業ごとに異なりますが、一般的な要件は以下の通りです。
5-1. 研究開発代表者の要件(一般的なもの)
- 国内の研究機関等に所属し、かつそこを主たる研究場所とすること
- 研究開発実施計画の策定、成果の取りまとめ等の責任を担うこと
- e-Rad(府省共通研究開発管理システム)に研究者として登録されていること
- 応募時点で所属機関の承認を得ていること
5-2. 対象機関
| 機関種別 | 応募可能な主な事業 |
|---|---|
| 大学・研究機関 | AMED-CREST、PRIME、各疾患研究事業、橋渡し研究 など多数 |
| 病院・医療機関 | 臨床研究事業、治験推進事業 など |
| 企業 | 創薬ベンチャーエコシステム強化事業、医工連携事業、再生医療産業化事業 など |
| スタートアップ | 次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業、創薬ベンチャー公募 など |
出典: AMED「公募情報一覧」(2026年7月3日参照)。応募資格は各公募要領で確認してください。
5-3. 若手研究者向け枠
AMEDは若手研究者の育成にも力を入れており、以下のような若手枠を設けています。年齢や博士号取得後年数などの具体的な要件、金額、通常枠との審査上の扱いは事業・年度により異なるため、応募先の公募要領で必ずご確認ください。
- PRIME: 個人型の基礎研究支援で、若手研究者が応募しやすい
- 再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム(若手育成枠)
- 医療機器等研究成果展開事業(チャレンジタイプ・若手・女性研究者枠)
- 各疾患研究事業の若手研究者枠: 多くの事業で若手向けの公募枠が設定されています
6. 応募方法(e-Rad経由の手続き)
AMEDの研究費への応募は、原則としてe-Rad(府省共通研究開発管理システム)を通じて行います。詳しい操作はe-Radの使い方ガイドもあわせてご覧ください。
6-1. 応募の流れ
- e-Radへの登録: 研究機関・研究者ともにe-Radへの事前登録が必要。所属機関の登録がない場合は特に時間を要するため、早めに手続きを開始
- 公募情報の確認: AMED公募情報一覧で対象事業の公募要領を入手
- 公募説明会への参加: 多くの事業でオンライン説明会が開催される。審査のポイントや公募の意図を直接確認できる
- 提案書の作成: 公募要領に定められた様式に沿って研究計画書等を作成
- 所属機関の承認: e-Radでの申請には所属機関の事務担当者による承認が必要(締切直前は混雑するため余裕をもって依頼)
- e-Radで電子申請: 提案書をe-Radにアップロードし提出。提案書とe-Radの入力情報に齟齬がないよう注意
- 書面審査: 外部評価委員による書面審査
- ヒアリング審査: 書面審査通過者に対するプレゼンテーション審査(事業により実施の有無が異なる)
- 採択決定・契約: 採択後、委託研究開発契約を締結し研究開始
6-2. 応募に必要な主な書類
- 研究開発提案書(研究計画、目的、方法、体制等)
- 研究者の業績・経歴(researchmap等のIDが求められる場合あり)
- 研究体制表・役割分担表
- 経費計画書
- 利益相反に関する申告書
- 倫理審査に関する書類(臨床研究の場合)
6-3. 公募要領の入手先と読むべき箇所
各事業の公募要領は、AMED公募情報一覧の事業ページからPDFで入手できます。応募判断とプレゼン準備のために、最低限、次の3点は必ず確認しましょう。
- 審査項目・評価の観点: 何を基準に評価されるか。提案書はこの項目に正面から答える構成にする
- 採択予定件数・研究開発費の上限: 競争環境と規模感を把握する目安になる
- 応募資格・重複制限・スケジュール: 応募可否と機関内締切の逆算に直結する
6-4. 採択後の流れ
採択後は委託研究開発契約(事業により補助金の交付決定)を締結して研究を開始します。多くの事業で年度ごとの成果報告や実績報告、経費の精算が求められ、経費執行は事務処理説明書や委託研究開発契約に定められたルールに従います。具体的な報告様式・時期・経費ルールは事業ごとに異なるため、契約時に配布される資料で確認してください。
7. 採択率・ヒアリング審査と採択のコツ
AMEDの審査では、科学的な新規性に加えて「医療への貢献」「実用化の見通し」が重視されます。以下のポイントを押さえましょう。
7-1. 臨床的意義・社会的意義を明確にする
- 満たされていない医療ニーズ: 現在の医療では満たされていない患者ニーズを具体的に記述する
- 患者数・疾病負荷: 対象疾患の患者数、社会的影響を数値で示す
- 既存治療法との比較: 提案する研究成果が既存治療と比べてどう優れているかを明確にする
7-2. 実用化への道筋を具体的に描く
- 出口戦略: 研究成果を医薬品・医療機器・診断法として実用化する道筋を示す
- 知財戦略: 特許出願の計画やライセンス戦略を含める
- 薬事戦略: 医薬品や医療機器の場合、薬事承認までの道筋を想定しておく
- 企業連携: 実用化に向けた企業との連携体制や意向があれば積極的に示す
7-3. 研究計画の科学的妥当性
- 予備データ: 実現可能性を示す予備実験結果があれば大きな強みになる
- 達成目標: 年度ごとの具体的な達成目標を設定する。継続判断(Go/No-Go)の基準も示す
- リスク管理: 想定されるリスクと代替計画を記述する
7-4. 研究体制の充実
- 研究代表者の実績: 当該分野での研究業績、論文、過去の研究費獲得実績を示す
- 共同研究体制: 基礎研究者と臨床医の連携など、異分野融合の体制が評価される
- 国際連携: 国際共同研究の体制があれば加点要素になる場合がある
- 若手研究者の参画: 次世代の人材育成の観点も評価される
7-5. 政策との整合性
- AMEDの研究は「健康・医療戦略」「医療分野研究開発推進計画」に基づいて設計されています。提案がどの政策目標に貢献するかを明示する
- 公募要領に記載された研究開発目標や期待される成果に正面から応える提案を心がける
- 「がん研究10か年戦略」など個別戦略文書も参照する
7-6. 倫理面・データ管理の対応
- 研究倫理: ヒトを対象とする研究では倫理審査委員会(IRB)の承認計画を示す
- データ管理: 研究データの管理計画(DMP)の提示が求められる事業が増えている
- 利益相反管理: 産学連携研究では利益相反の管理体制を明確にする
7-7. ヒアリング審査と採択率の考え方
AMEDの多くの事業では、応募課題はまず書面審査で絞り込まれ、選ばれた課題だけがヒアリング審査(研究開発代表者によるプレゼンテーションと質疑)に進みます。最終的な採択課題はヒアリング審査の結果を踏まえて決定されるため、ヒアリング対象の通知を受けた時点で、応募課題全体の中から候補がすでに絞り込まれた状態といえます。一方で、書面審査のみで採択を決定し、ヒアリング審査を実施しない事業もあります。ヒアリングの有無・持ち時間・提出資料の様式は事業ごとに公募要領や案内で指定されるため、必ず確認してください。
- 応募全体に対する採択率: 採択数を応募数で割った割合。事業と年度により大きく異なる
- ヒアリング後の採択率: ヒアリング審査に進んだ課題のうち採択された割合。ヒアリング審査数は応募数以下なので、応募全体に対する採択率を下回ることはない
- ヒアリングに呼ばれたら: 候補として絞り込まれた段階。公募要領の審査項目に正面から答える準備に時間をかける価値がある
具体的な採択率は事業と年度で大きく異なるため、一律の数値では語れません。応募を検討している事業について、公式の採択課題公表ページで実際の件数を確認するのが確実です。確認方法は次の7-8で解説します。
7-8. 採択課題公表ページの読み方と探し方
AMEDは採択結果を公式サイトの公募情報配下で事業ごとに公表しています。採択情報一覧(公募情報検索の採択結果)から、事業ごとの採択課題公表ページを検索できます。分野、疾患領域、開発フェーズ、事業年度などで絞り込みが可能です。採択課題公表ページには、事業により次のような情報が掲載されます。
- 採択課題の一覧: 研究開発課題名、研究開発代表機関、研究開発代表者、職名
- 審査の経過: 公募期間、書面審査やヒアリング審査の実施時期(掲載される場合)
- 件数の内訳: 区分ごとの応募数、ヒアリング審査数、採択数(掲載される場合)
過去の採択課題名を読むと、その事業で評価されやすい研究テーマの傾向も読み取れます。応募前に、応募先事業の過去数年分の採択課題公表ページに目を通しておくことをおすすめします。
8. よくある質問(FAQ)
QAMEDとは何ですか?JSTやNEDOとの違いは?
AAMED(日本医療研究開発機構)は2015年に設立された医療分野専門の研究開発資金配分機関です。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省の医療研究予算を集約し、基礎研究から臨床応用・実用化まで一貫して支援します。JSTは基礎科学全般、NEDOは産業技術・エネルギーが中心ですが、AMEDは医療・ライフサイエンスに特化している点が最大の違いです。
QAMEDの公募と科研費の違いは何ですか?
A科研費(日本学術振興会が運営)は研究者が自由に課題を提案するボトムアップ型で、資金は補助金として交付されます。AMEDは国が研究開発目標や領域を設定するトップダウン型が中心で、多くの事業で委託研究開発契約に基づく委託費として支給され、医療への実用化を強く意識した審査が行われます。両者は重複受給に制限がある場合があるため、公募要領で確認してください。
QAMEDの公募に応募するにはどうすればよいですか?
AAMEDの応募はe-Rad(府省共通研究開発管理システム)を通じて行います。応募者はe-Radに事前登録が必要で、所属研究機関の承認も必要です。所属機関の承認手続きに時間を要するため、早めの準備を推奨します。具体的な流れは、公募要領の確認、e-Rad登録、提案書作成、所属機関承認、e-Rad経由での提出です。
QAMED-CRESTとPRIMEの違いは何ですか?
Aどちらも革新的先端研究開発支援事業の枠組みですが、研究体制が異なります。AMED-CREST(ユニットタイプ)はチーム型で、研究開発代表者を中心とする研究者集団で大型研究を推進します。PRIME(ソロタイプ)は個人型で、研究開発代表者が個人で研究を推進します。令和8年度公募では、AMED-CRESTは1課題当たり総額3億円以下・最長5.5年、PRIMEは1課題当たり総額4,000万円以下・最長3.5年でした。金額と期間は公募ごとに設定されるため公募要領でご確認ください。
QAMEDの公募はいつ頃出ますか?年間スケジュールは?
AAMEDの公募は通年で行われますが、翌年度の新規公募は年度末から年度前半に集中する傾向があります。令和8年度のAMED-CREST・PRIMEは令和8年4月2日公募開始・5月28日締切で、既に受付を終了しています。年度途中の2次公募・3次公募も随時行われます。締切と最新の受付状況は必ずAMED公募情報一覧でご確認ください。
Q企業がAMEDの研究費に応募できますか?
Aはい、多くのAMED事業で企業の応募が可能です。特に創薬ベンチャーエコシステム強化事業、医工連携グローバル展開事業、次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業などは企業を主な対象としています。ただし、AMED-CRESTやPRIMEなど一部の基礎研究事業は大学・研究機関の研究者が対象です。産学連携による共同提案が求められるプログラムも多くあります。
QAMEDの採択率はどのくらいですか?
Aプログラムと年度により大きく異なるため、一律の数値では語れません。AMEDは事業ごとに採択課題の公表ページを公開しており、事業によっては区分ごとの応募数、ヒアリング審査数、採択数も掲載されます。応募を検討している事業について、公式サイトの採択情報一覧から過去の公表ページを確認するのが確実です。公募要領に記載される採択予定件数も目安になります。
QAMEDの研究費で購入できるものに制限はありますか?
AAMEDの研究費は直接経費と間接経費に分かれます。直接経費では、研究に必要な物品費(試薬・機器等)、旅費、人件費・謝金、その他(印刷費・通信費等)が支出可能です。ただし、汎用性の高い備品(パソコン等)は研究との関連性の説明が必要です。間接経費は直接経費の30%が原則ですが、経費の取扱いは各事業の委託研究開発契約や事務処理説明書に基づくため、公募要領でご確認ください。
9. 関連リンク
9-1. AMED公式
- AMED トップページ
- AMED 公募情報一覧: 全公募の一覧(締切カレンダーあり)
- AMED 採択情報一覧: 事業ごとの採択課題公表ページを検索
- AMED 事業紹介: プロジェクト・事業の一覧
- AMED 基本情報: 予算・職員数など機構の概要
9-2. 関連システム
- e-Rad(府省共通研究開発管理システム): 応募はこちらから
- researchmap: 研究者情報の登録・管理
9-3. 研究費サーチの関連ページ
- 研究費サーチ AMEDの公募一覧: AMEDの最新公募を一覧表示
- 研究費サーチ トップページ: 研究費・助成金を横断検索
まとめ
AMEDの公募に応募する際の重要ポイントを振り返ります。
- 医療への貢献を軸に据える: AMEDは最終的に患者の役に立つ研究を重視する
- 基礎研究ならAMED-CREST・PRIME: 医療分野の画期的シーズ創出を目指す重要プログラム
- 実用化の道筋を示す: 出口戦略、知財戦略、薬事戦略を具体的に記述する
- e-Radの準備は早めに: 所属機関の承認手続きに時間がかかるため、公募開始前に完了させる
- 政策との整合性を意識する: 健康・医療戦略、がん研究10か年戦略等との関連を示す
- 若手枠を積極的に活用する: PRIME、若手育成枠など、若手向けの機会を見逃さない
- 公募情報を定期的に確認する: 2次公募・3次公募が随時行われるため、最新情報を見逃さない
AMEDは日本の医療研究を支える最大級の資金配分機関です。基礎研究から臨床応用まで、研究のステージに応じた多様なプログラムが用意されています。本ガイドを参考に、ご自身の研究に合った公募を見つけ、応募を検討してみてください。
出典・参考文献
- 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構「基本情報」(職員数・予算・設立日・中長期計画) https://www.amed.go.jp/aboutus/kihon.html(2026年7月3日参照)
- AMED「公募情報一覧」 https://www.amed.go.jp/koubo/koubo_index.html(2026年7月3日参照)
- AMED「令和8年度 革新的先端研究開発支援事業ユニットタイプ(AMED-CREST)及びソロタイプ(PRIME)に係る公募について」 https://www.amed.go.jp/koubo/03006/01/B_00004.html(2026年7月3日参照)
- AMED「次世代がん医療加速化研究事業(P-PROMOTE)」 https://www.amed.go.jp/program/list/11/01/007.html(2026年7月3日参照)
- AMED「令和8年度 介護テクノロジー社会実装のためのエビデンス構築事業【開発補助】採択課題」 https://www.amed.go.jp/koubo/03002/02/C_00002.html(2026年7月3日参照)
- 府省共通研究開発管理システム(e-Rad) https://www.e-rad.go.jp/(2026年7月3日参照)
最終更新:
検証方針: 本記事の制度・数値はAMEDおよび関係機関の公式サイトを一次ソースとして確認しています。出典を確認できない情報は掲載せず、確認できない事項は「要確認」と明記します。公募の締切・受付状況は変動が速いため、応募前に各機関の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ず各機関の公式サイトでご確認ください。