研究費の探し方ガイド|助成金・研究助成の見つけ方を徹底解説
研究を進めるうえで欠かせない「研究費」。しかし、どこでどのように探せばよいのか、特に若手研究者や初めて外部資金を獲得しようとする方にとっては、情報が散在していて迷いがちです。日本には科研費をはじめとする府省の競争的資金から、JST・NEDO・AMEDなどの資金配分機関、さらには1,000を超える民間財団の助成金まで、多種多様な研究資金が存在します。
本ガイドでは、研究費の種類の全体像から、具体的な5つの探し方、分野別・キャリアステージ別のアドバイス、申請準備のタイムライン、よくある失敗と対策まで、研究費探しに必要な知識を網羅的に解説します。
目次
1. 研究費の種類を知る
まず、日本で研究者が利用できる研究費にはどのような種類があるのかを整理します。資金源ごとの特徴を理解することが、効率的な研究費探しの第一歩です。
1-1. 競争的資金(府省・資金配分機関)
競争的資金とは、研究者が研究課題を提案し、審査を経て獲得する外部資金です。日本の競争的資金の総額は年間約5,000億円以上で、研究者にとって最も重要な資金源です。
| 資金名・機関 | 主な対象 | 金額規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 科学研究費助成事業(科研費) | 全分野の学術研究 | 数十万〜数億円 | 日本最大の競争的資金。ボトムアップ型。JSPS運営 |
| JST(科学技術振興機構) | 科学技術全般 | 数百万〜数千万円 | CREST・さきがけ等。トップダウン型の戦略的研究 |
| NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) | エネルギー・産業技術 | 数百万〜数十億円 | 産業化・実用化志向。企業との連携が多い |
| AMED(日本医療研究開発機構) | 医療・ライフサイエンス | 数百万〜数億円 | 医療分野に特化。基礎から臨床・実用化まで |
| 厚生労働科学研究費 | 医療・福祉・労働 | 数百万〜数千万円 | 厚労省の政策課題に対応した研究 |
| 環境研究総合推進費 | 環境分野 | 数百万〜数千万円 | 環境省の政策課題に対応した研究 |
科研費は全研究者の基本
科研費は分野を問わず全ての研究者が応募できる最も基本的な競争的資金です。年間の新規採択件数は約23,000〜26,000件(年度により変動)、採択率は約25〜30%。研究者としてのキャリアを築くうえで、科研費への応募は必須と言えます。
1-2. 運営費交付金・基盤的経費
国立大学法人や研究開発法人に国から交付される基盤的な経費です。競争的資金とは異なり、公募・審査を経ずに各機関に配分されます。
- 国立大学法人運営費交付金: 国立大学の運営に必要な経費。教育・研究の基盤経費を含む
- 私立大学等経常費補助金: 私立大学の教育研究条件の維持向上を支援
- 各機関のスタートアップ経費: 新任教員に配分される研究立ち上げ経費(機関により異なる)
近年、運営費交付金は減少傾向にあり、研究者が外部資金(競争的資金や民間助成金)を獲得する重要性が増しています。
1-3. 民間財団の助成金
日本には1,000以上の助成財団が存在し、幅広い分野の研究に助成金を提供しています。府省の競争的資金と比べて、金額は小さい傾向がありますが、応募の手続きが簡便で採択率が高いものも多くあります。
| 財団名(例) | 主な対象分野 | 助成金額 |
|---|---|---|
| トヨタ財団 | 社会科学・人文科学・自然科学 | 最大800万円 |
| 稲盛財団 | 自然科学・人文社会科学 | 100万円(研究助成)/ 1,000万円(たかめる) |
| 上原記念生命科学財団 | 生命科学・医学 | 500万円 |
| 村田学術振興・教育財団 | 自然科学・工学 | 最大500万円(単年) |
| 内藤記念科学振興財団 | 生命科学・医学(人類の健康増進に寄与する基礎研究) | 300万円 |
| 住友財団 | 基礎科学・環境・文化 | 最大500万円 |
民間財団の助成金は、科研費やJST等と併用可能なものが多く、研究費のポートフォリオを組む際に重要な資金源です。特に若手研究者にとっては、比較的獲得しやすい民間助成金から実績を積むことが有効です。
1-4. 企業との共同研究・受託研究
企業から直接研究資金を受ける形態です。産学連携が重視される中、重要性が増しています。
- 共同研究: 大学と企業が対等な立場で共同して研究を行う。知財の帰属は事前に取り決め
- 受託研究: 企業からの委託を受けて大学が研究を実施。成果の権利は契約による
- 寄附金: 企業からの寄附による研究資金。研究テーマの自由度が高い場合が多い
- クロスアポイントメント: 大学と企業の両方に所属し、双方で研究を行う制度
共同研究は「探す」というよりも、学会・研究会での人脈構築や、既存の研究成果の発信を通じて企業側からアプローチされることも多い資金源です。
1-5. 海外の研究資金
国際的な研究助成にも目を向けることで、資金獲得の可能性が広がります。
- HFSP(ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム): ライフサイエンス分野の国際共同研究を支援。日本は主要拠出国
- EU Horizon Europe: EUの研究イノベーション枠組みプログラム。一部は日本からの参加が可能
- NIH(米国国立衛生研究所): 一部のグラントは海外研究者にも開放
- 二国間共同研究プログラム: JSPS・JSTが窓口となり、各国の資金配分機関と連携した共同研究を支援
- Wellcome Trust(英国): グローバルヘルス分野等で海外研究者も応募可能なプログラムあり
2. 研究費の探し方 -- 5つの方法
研究費の種類を理解したところで、具体的にどのように探せばよいのかを解説します。以下の5つの方法を組み合わせることで、自分の研究に合った研究費を効率的に見つけることができます。
方法1: 研究費サーチで一括検索
最も手軽な方法 -- 横断検索サービスを使う
研究費サーチは、科研費・JST・NEDO・AMED・民間財団など、複数の資金源を横断的に検索できるサービスです。
- キーワード検索: 研究テーマに関連するキーワードで公募を検索
- 機関別フィルタ: NEDO、JST、AMED等の機関別に絞り込み
- 分野別フィルタ: AI、医療、エネルギー等の分野で絞り込み
- 締切順表示: 締切が近い公募を優先的に表示
- 対象者フィルタ: 若手研究者向け、企業向け等で絞り込み
横断検索の最大のメリットは、複数の資金配分機関や民間財団の公募情報を一度に確認できることです。各機関の公式サイトを個別に巡回する手間が省け、見落としを防ぐことができます。
方法2: 各機関の公式サイトで確認
自分の研究分野に関連する資金配分機関の公式サイトを直接チェックする方法です。横断検索では拾いきれない詳細な情報や、公式説明会の案内なども確認できます。
| 機関 | 公募情報ページ | 対象分野 |
|---|---|---|
| JSPS | 科研費ページ | 全分野の学術研究 |
| JST | 公募情報 | 科学技術全般(CREST・さきがけ等) |
| NEDO | 公募情報 | エネルギー・産業技術・AI |
| AMED | 公募情報一覧 | 医療・ライフサイエンス |
| 環境省 | 環境研究総合推進費 | 環境分野 |
| 総務省 | ICT研究開発 | 情報通信技術 |
ポイント: 公式サイトでは公募要領(PDF)のダウンロードや、過去の採択課題・採択率の情報も確認できます。応募を検討する際は、公式サイトの情報を必ず参照しましょう。
方法3: e-Radで横断検索
e-Rad(府省共通研究開発管理システム)は、各府省の競争的資金の応募・審査・管理を一元化したシステムです。公募情報の検索機能も備えており、府省を横断して現在募集中の競争的資金を探すことができます。
e-Radでの公募検索手順
- e-Radのトップページにアクセス
- 「公募一覧」または「公募検索」をクリック
- キーワード、配分機関、研究分野、募集期間などの条件を入力
- 検索結果から気になる公募の詳細を確認
- 応募する場合はe-Radにログインして電子申請
注意: e-Radに掲載されるのは府省の競争的資金が中心です。民間財団の助成金や、企業からの共同研究資金は掲載されていません。民間財団の助成金も含めて探す場合は、研究費サーチなどの民間サービスを併用しましょう。
方法4: 所属機関のURA・研究支援室に相談
URA(University Research Administrator / リサーチ・アドミニストレーター)は、大学や研究機関に所属する研究支援の専門職です。研究費探しにおいて最も頼りになるパートナーと言えます。
- 公募情報の提供: 自分の研究テーマに合った公募情報をピックアップしてくれる
- 応募書類の作成支援: 申請書のレビュー、ブラッシュアップ、添削
- 予算計画の相談: 適切な経費計画の策定をサポート
- 学内公募・学内助成の案内: 各大学独自の学内助成金や若手支援制度の情報提供
- 産学連携のマッチング: 企業との共同研究・受託研究のコーディネート
多くの国立大学・私立大学にはURA部門や研究支援室が設置されています。「研究費を探しているがどこから手をつければよいかわからない」という場合は、まずURAに相談することをおすすめします。相談は無料です。
方法5: 先輩研究者・同僚のネットワーク
見落としがちですが、人的ネットワークを通じた情報収集も非常に効果的です。
- 研究室・学科内の情報共有: 先輩や同僚が過去に獲得した研究費の情報を聞く
- 学会・研究会での情報交換: 同分野の研究者から最新の公募情報や応募のコツを入手
- メーリングリスト・SNS: 学会のML、研究者コミュニティのSlack/Discord、X(Twitter)で公募情報が共有されることがある
- 指導教員・メンターへの相談: 特に若手研究者は、キャリアステージに合った資金の選び方についてアドバイスを受けられる
特に有効なケース: 民間財団の助成金は公募情報が分散しており、ウェブ検索だけでは見つけにくいものがあります。同分野の研究者から「この財団は穴場」といった口コミ情報を得られることがあります。
3. 分野別の探し方
研究分野によって、主要な資金源や効果的な探し方が異なります。代表的な分野ごとのポイントを解説します。
3-1. 理学・工学分野
- 基礎研究: 科研費(基盤研究A/B/C、挑戦的研究)が中心。JSTのCREST・さきがけも有力
- 応用研究: NEDO(エネルギー・AI・材料・ロボティクス等)、JST(A-STEP、未来社会創造事業等)
- 探し方のコツ: 科研費の細目一覧で自分の研究テーマに最も近い細目を特定し、過去の採択課題(KAKEN)を分析する
- 民間財団: 村田学術振興財団、カシオ科学振興財団、池谷科学技術振興財団 等
3-2. 医学・生命科学分野
- 基礎研究: 科研費に加え、AMED(AMED-CREST、PRIME)が最重要
- 臨床研究: AMED(臨床研究等推進事業)、厚生労働科学研究費
- 創薬: AMED(創薬基盤推進研究事業、創薬ブースター)
- 探し方のコツ: AMEDの統合プロジェクト体系を理解し、自分の研究ステージに合ったプログラムを選ぶ
- 民間財団: 上原記念生命科学財団、内藤記念科学振興財団、武田科学振興財団 等
3-3. AI・情報科学分野
- 基礎研究: 科研費、JSTさきがけ(情報科学系の研究領域)
- 応用・産業化: NEDO(GENIAC、ポスト5G等)が大型資金を提供
- 医療AI: AMED(医工連携・人工知能実装研究事業)
- 探し方のコツ: AI分野は複数の省庁・機関が資金を出しており、分野横断的に探す必要がある。AI・情報科学分野の助成金まとめも参照
- 民間財団: 電気通信普及財団、栢森情報科学振興財団 等
3-4. 人文・社会科学分野
- 基礎研究: 科研費が圧倒的に重要(基盤研究、若手研究、挑戦的研究)
- 政策研究: 各府省の政策研究費(厚生労働科学研究費、環境研究総合推進費等)
- 探し方のコツ: 人文社会系は科研費への依存度が高い傾向。民間財団(トヨタ財団、サントリー文化財団等)を積極的に活用する
- 海外資金: ACLSフェローシップ(米国在住者向け)、Fulbrightプログラム、日本学術振興会の海外派遣事業 等
3-5. 環境・エネルギー分野
- 基礎研究: 科研費、JST(CREST・さきがけの環境系領域)
- 応用・実用化: NEDO(グリーンイノベーション基金、省エネルギー技術開発等)が大型資金を提供
- 環境研究: 環境研究総合推進費(環境省)が主要な資金源
- 探し方のコツ: NEDOのGI基金(グリーンイノベーション基金)は数十億円規模の大型プロジェクト。企業との連携体制が求められる
3-6. 学際・融合領域
- 複数分野にまたがる研究テーマは、科研費の「学術変革領域研究」「挑戦的研究」が向いている
- JSTの「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」は異分野融合を重視
- 分野横断的なテーマは、一つの機関に限定せず複数の機関で関連公募がないか幅広く探すことが重要
4. キャリアステージ別の探し方
研究者のキャリアステージによって、応募可能な研究費や効果的な戦略が異なります。
4-1. 若手研究者(博士の学位取得後8年未満)
若手研究者が狙うべき研究費
- 科研費 若手研究: 博士の学位取得後8年未満が対象。500万円以下。最も基本的な若手向け資金
- 科研費 研究活動スタート支援: 前年度に科研費の応募資格を得た研究者が対象。300万円以下(1年の場合150万円以下)
- JST さきがけ: 個人型の戦略的研究。総額3,000万〜4,000万円程度(研究期間3年半以内)。若手にも門戸が広い
- AMED PRIME: 医療分野の個人型研究。若手にも応募しやすい
- 民間財団の若手助成: 多くの財団が35歳以下や40歳以下の若手向け枠を設けている
- 学内助成金: 各大学の若手研究者支援制度(スタートアップ経費等)
若手研究者の戦略: まずは科研費若手研究と民間財団の助成金に並行して応募し、実績を積むことが重要です。小さな助成金でも「外部資金を獲得した実績」は次の大型資金の審査でプラスに評価されます。詳しくは若手研究者向け助成金ガイドも参照してください。
4-2. 中堅研究者(准教授・講師クラス)
- 科研費 基盤研究(B): 500万円超〜2,000万円以下。中堅研究者の主力資金
- 科研費 基盤研究(A): 2,000万〜5,000万円規模。大型研究への挑戦
- JST CREST: チーム型の大型研究。研究代表者として複数の分担者を束ねる
- NEDO各種プロジェクト: 産業化志向の大型プロジェクトに参画
- AMED-CREST: 医療分野のチーム型大型研究
中堅研究者の戦略: 科研費の基盤研究を確実に獲得しつつ、JSTやNEDO等の大型資金にもチャレンジ。異分野連携や国際共同研究の体制構築が評価される段階です。
4-3. シニア研究者(教授クラス)
- 科研費 基盤研究(S): 5,000万〜2億円規模。トップレベルの研究に対する大型支援
- 科研費 学術変革領域研究: 研究領域を提案し、複数の計画研究を統括
- JST/NEDO/AMEDの大型プロジェクト: プロジェクトリーダーとして研究を統括
- WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム): 研究拠点の形成
- COI-NEXT: 大学を核とした産学連携拠点の形成
シニア研究者の戦略: 個人の研究だけでなく、研究グループ・拠点全体のマネジメントが求められます。若手の育成や国際連携ネットワークの構築も含めた大きな構想を描くことが重要です。
4-4. 企業研究者
- NEDO: 企業が応募主体となれるプロジェクトが多い(助成事業・委託事業)
- AMED: 創薬ベンチャーエコシステム強化事業、次世代ヘルステック等
- 中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR): スタートアップ・中小企業向け
- 産学連携プロジェクト: 大学研究者と組んでJST・NEDO等のプロジェクトに参画
企業研究者の戦略: 大学との産学連携体制を構築し、共同提案の形で応募するケースが多い。NEDOの公募は企業参画が前提のものが多く、NEDO公募プログラム完全ガイドを参照してください。
5. 申請準備のタイムライン
研究費の獲得は「締切直前に慌てて書く」のでは遅すぎます。計画的な準備が採択率を大きく左右します。以下は代表的なタイムラインです。
科研費の場合(7〜9月締切)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4〜5月 | 前年度の審査結果を分析。不採択の場合は審査所見を確認し改善点を整理 |
| 6月 | 研究テーマの方向性を固める。新しい予備データの取得を意識した実験を進める |
| 7月 | 公募要領公開。最新様式で申請書作成開始。応募する種目(基盤B/C、若手等)を決定 |
| 8月 | 申請書のドラフトを完成。同僚やURAにレビュー依頼。過去の採択課題(KAKEN)も参照 |
| 9月上旬 | レビューを反映して修正完了。所属機関の事務手続き(承認等)を完了 |
| 9月中旬 | e-Radで電子申請を提出。締切日の数日前には提出を完了させる |
JST・NEDO・AMEDの場合(1〜4月公募が多い)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 10〜11月 | 翌年度の公募動向を調査。前年度の公募要領を入手して準備を開始 |
| 12月 | 共同研究者の候補にコンタクト。研究体制の構築を進める |
| 1月 | 公募が出始める。公募要領を精読し、評価基準を把握 |
| 2月 | 提案書のドラフトを作成。公募説明会に参加して質疑応答で情報収集 |
| 3〜4月 | 提案書を完成・提出。締切の1週間前には完了を目指す |
年間を通じた研究費管理のポイント
- 年間カレンダーを作成する: 主要な公募の締切を年間カレンダーに記入し、準備開始時期を逆算する
- 複数の資金源に並行して応募する: 1つの公募に全てを賭けるのではなく、科研費・JST/NEDO/AMED・民間財団に分散して応募する
- 申請書の「ストック」を持つ: 研究の背景や業績リストなど、共通で使える部分は常に最新状態に保つ
- 不採択の申請書を捨てない: 改善して別の公募に再利用できる。審査結果を反映して毎年ブラッシュアップする
研究費の年間スケジュールの詳細は研究費・助成金の年間申請スケジュール2026も参照してください。
6. よくある失敗と対策
研究費の探し方や応募において、多くの研究者が陥りがちな失敗パターンとその対策をまとめます。
失敗1: 科研費しか見ていない
問題: 科研費だけに応募し、不採択になると1年間資金がない状態になる
対策: 科研費に加えて、JST・NEDO・AMED等の競争的資金、民間財団の助成金にも並行して応募する。「資金のポートフォリオ」を意識して複数の資金源を持つ
失敗2: 締切直前に慌てて応募する
問題: 締切1週間前に公募を発見し、十分な準備ができないまま応募してしまう
対策: 年間の公募カレンダーを作成し、主要な公募の締切と準備開始時期をあらかじめ把握しておく。研究費サーチや各機関のメーリングリストに登録して、公募情報を早期にキャッチする
失敗3: 自分のステージに合わない資金に応募する
問題: 若手研究者がいきなり基盤研究(A)に応募する、実績が不十分な段階でCRESTに応募するなど
対策: キャリアステージに応じた段階的な資金獲得を意識する。若手研究 → 基盤研究(C) → 基盤研究(B)のようにステップアップし、各段階で実績を積む
失敗4: 公募要領を読み込まない
問題: 審査基準や応募資格を十分に確認せず、的外れな提案をしてしまう
対策: 公募要領は隅々まで精読する。特に「審査の観点」「評価項目」は最重要。評価項目に沿って申請書の構成を組み立てる
失敗5: e-Radの準備を怠る
問題: e-Radの研究者登録が間に合わない、所属機関の承認手続きが締切に間に合わない
対策: e-Radの登録は余裕をもって行う(新規登録に2週間以上必要)。所属機関の事務担当者には締切の2週間前までに承認依頼を出す。詳しくはe-Rad使い方ガイドを参照
失敗6: 一人で申請書を書き上げてしまう
問題: 第三者のレビューを受けずに提出し、論理の飛躍や説明不足に気づかない
対策: 提出前に必ず複数人にレビューを依頼する。所属機関のURA、同僚、異分野の研究者など、異なる視点からのフィードバックが有効。特に「専門外の人が読んでも理解できるか」は重要なチェックポイント
失敗7: 不採択で諦めてしまう
問題: 1回の不採択で「自分の研究は評価されない」と思い込み、応募をやめてしまう
対策: 科研費の採択率は約25〜30%。不採択は特別なことではない。審査結果を分析し、弱点を改善して再応募することが最も重要。多くの成功した研究者も複数回の不採択を経験している
7. FAQ -- よくある質問
Q1. 研究費を探すのに最適な時期はいつですか?
A. 研究費の公募は年間を通じて行われますが、最も多くの公募が集中するのは7月〜9月(科研費)と1月〜4月(JST・NEDO・AMED等)です。科研費は毎年7月頃に公募要領公開、9月中旬が締切です。JST(さきがけ・CREST)は4〜6月、NEDOは年間を通じて随時公募があります。民間財団は4月〜6月に集中する傾向があります。効率的に探すためには、6月頃から翌年度の情報収集を始め、年間スケジュールを把握しておくことをおすすめします。
Q2. 自分の研究テーマに合った助成金をどうやって見つけますか?
A. 複数の方法を組み合わせるのが効果的です。まず研究費サーチなどの横断検索サービスでキーワード検索を行い、候補を絞り込みます。次にe-Radの公募一覧で府省横断的に検索します。さらに、自分の分野に関連する資金配分機関(科研費ならJSPS、医療ならAMED、エネルギー・産業技術ならNEDO)の公式サイトを直接チェックします。所属機関のURA(リサーチ・アドミニストレーター)や研究支援室に相談すると、自分では見つけられなかった公募情報を教えてもらえることもあります。
Q3. e-Radで研究費は検索できますか?
A. はい、e-Rad(府省共通研究開発管理システム)には公募情報の検索機能があります。「公募一覧」ページでは、府省・配分機関を横断して現在募集中の競争的資金を検索できます。キーワード、研究分野、配分機関、締切日などで絞り込みが可能です。ただし、e-Radに掲載されるのは府省の競争的資金が中心で、民間財団の助成金は掲載されていません。民間財団の助成金も含めて探したい場合は、研究費サーチなどの民間サービスを併用することをおすすめします。
Q4. URAとは何ですか?研究費探しにどう役立ちますか?
A. URA(University Research Administrator / リサーチ・アドミニストレーター)は、大学や研究機関に所属する研究支援の専門職です。研究戦略の企画立案、外部資金の獲得支援、研究プロジェクトの管理などを担当します。研究費探しにおいては、公募情報の収集と研究者への提供、応募書類の作成支援(ブラッシュアップ、添削)、予算計画の相談、申請手続きのサポートなど、幅広く支援してくれます。多くの国立大学や私立大学にURA組織が設置されており、無料で相談できます。特に初めて研究費に応募する場合は、URAに相談することを強くおすすめします。
Q5. 海外の研究助成金に応募する方法は?
A. 海外の研究助成金に応募するには、まず対象となる助成機関を把握することが重要です。主な海外助成機関としては、NIH(米国国立衛生研究所)、NSF(米国国立科学財団)、ERC(欧州研究会議)、Wellcome Trust(英国)、HFSP(ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム)などがあります。日本から応募可能なプログラムとしては、HFSPのResearch Grants、EU Horizon Europeの一部プログラム、二国間共同研究(JSPS・JSTが窓口)などがあります。応募書類は英語で作成する必要があり、海外の審査基準に合わせた書き方が求められます。所属機関の国際連携部門やURAに相談すると、応募可能なプログラムの情報や手続きについてアドバイスを受けられます。
Q6. 初めて研究費に応募する場合、何から始めるべきですか?
A. 初めて研究費に応募する場合、以下の順序で準備を進めることをおすすめします。
- まずe-Radに研究者登録を行います(所属機関を通じて申請、2週間程度かかります)
- 自分の研究テーマと規模に合った資金を探します。若手研究者なら科研費の若手研究(500万円以下)や民間財団の助成金(100〜500万円)から始めるのが一般的です
- 所属機関のURAや研究支援室に相談します。応募可能な公募の紹介や書類作成のアドバイスを受けられます
- 過去の採択課題を調べ、採択される申請書のレベル感を把握します(科研費はKAKEN、JSTは各事業の公式ページやGRANTS(研究課題統合検索)で公開)
- 先輩研究者や指導教員に申請書のレビューを依頼します。第三者の目で読んでもらうことで、論理の飛躍や説明不足に気づけます
Q7. 不採択だった場合、どうすればよいですか?
A. 不採択は珍しいことではありません(科研費の採択率は約25〜30%)。まず審査結果の開示を確認しましょう。科研費では審査結果(A/B/C評価と審査所見)が通知されます。不採択の理由を分析し、次回の申請に活かすことが重要です。具体的な対策としては以下が挙げられます。
- 審査所見で指摘された弱点を重点的に改善する
- 研究の新規性・独自性をより明確に記述する
- 予備データを充実させて実現可能性を示す
- URAや同僚に申請書のレビューを依頼する
- 科研費以外の資金源(民間財団、JST、NEDO等)にも並行して応募する
- 同じテーマで種目を変えて再挑戦する(例: 基盤研究(B)が不採択なら基盤研究(C)に再応募)
※AIによる情報のため、各制度の最新の詳細は各機関の公式サイトで必ずご確認ください。
8. 関連リンク・他のガイド記事
主要な資金配分機関・データベース
- e-Rad(府省共通研究開発管理システム) -- 公募検索・電子申請
- KAKEN(科学研究費助成事業データベース) -- 過去の採択課題を検索
- JSPS 科研費 -- 科学研究費助成事業
- JST 公募情報 -- CREST・さきがけ等
- NEDO 公募情報 -- エネルギー・産業技術
- AMED 公募情報一覧 -- 医療・ライフサイエンス
- researchmap -- 研究者情報の登録・管理
研究費サーチの関連ページ
- 研究費サーチ トップページ -- 研究費・助成金を横断検索
まとめ
研究費の探し方について、種類・方法・分野別アドバイス・キャリアステージ別戦略・タイムライン・よくある失敗と対策を網羅的に解説しました。重要なポイントを振り返ります。
- 研究費の種類を知る: 競争的資金、民間財団、企業連携、海外資金など多様な資金源がある
- 5つの方法を組み合わせる: 研究費サーチ、公式サイト、e-Rad、URA、人的ネットワークを併用する
- キャリアステージに合った資金を選ぶ: 段階的にステップアップし、各段階で実績を積む
- 早めの準備が鍵: 締切の数か月前から情報収集と申請書の準備を始める
- 資金のポートフォリオを組む: 科研費だけに頼らず、複数の資金源に分散して応募する
- URAを積極的に活用する: 研究支援の専門家の力を借りることで、採択率が大幅に向上する
- 不採択は通過点: 審査結果を分析し、改善して再チャレンジすることが最も重要
研究費の獲得は、研究活動を継続・発展させるための重要なスキルです。本ガイドを参考に、ご自身の研究に最適な資金を見つけ、積極的に応募してみてください。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ず各機関の公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年2月28日