基盤研究(S)の令和8(2026)年度の新規採択率は11.4%です(新規応募606件・新規採択69件。令和8年8月18日公表の確定値)。令和4年度から令和7年度までの採択率は11.9%から12.3%の間で推移しており、令和8年度の11.4%は直近5年間で最も低い値です。同じ令和8年度の基盤研究(A)の新規採択率24.0%を大きく下回ります。応募総額は5,000万円以上2億円以下(研究期間全体での総額)、研究期間は原則として5年間で、令和8年度に新規採択された課題の研究期間全体の平均配分額(直接経費)は148,591千円(1億4,859万1千円)でした。
本ガイドは、基盤研究(S)について検索される問い、採択率はいくつか、金額はいくらか、公募はいつか、審査はどう行われるか、基盤研究(A)と何が違うかに絞って答えます。数値はすべて日本学術振興会の配分状況一覧と令和9(2027)年度公募要領から取り、出典を各表に添えました。令和8年度の値は2026年8月18日に公表された確定値です。
この記事の要点
- 令和8年度の新規採択率は11.4%(新規応募606件・新規採択69件、確定値)。直近5年間(11.4%から12.3%)で最も低い値
- 応募総額は5,000万円以上2億円以下(研究期間全体での総額)、研究期間は原則として5年間
- 令和8年度新規採択分の研究期間全体の平均配分額(直接経費)は148,591千円、最高150,600千円
- 公募時期が基盤研究(A・B・C)と別。令和9年度は2026年4月10日開始・6月16日締切で終了済み(9月17日締切の公募には含まれない)
- 審査は大区分ごとの総合審査。国内の研究者3名程度による審査意見書、6名の審査委員、ヒアリング(Web会議形式)を伴う
- 令和8年度から基金研究種目(学術研究助成基金助成金)になった
- 研究期間の中間年度に中間評価、終了翌年度に事後評価がある(結果により研究経費の増額・減額・研究の中止等があり得る)
1. 採択率の推移(令和4年度から令和8年度)
基盤研究(S)は「独創的、先駆的な研究を格段に発展させる、一人又は比較的少人数の研究者で組織する研究計画」を対象とする種目です(令和9年度公募要領)。新規採択率は令和4年度と令和5年度が12.3%、令和6年度が11.9%、令和7年度が12.1%と推移し、令和8(2026)年度は11.4%でした。直近5年間で最も低い値です。応募件数は令和6年度の547件を底に令和7年度568件、令和8年度606件と増えた一方、採択件数は69件で前年度と同数でした。
表1. 基盤研究(S)の新規採択実績(令和4年度から令和8年度)
| 年度 | 新規応募(件) | 新規採択(件) | 新規採択率 | 1課題当たり平均配分額(直接経費) |
|---|---|---|---|---|
| 令和4(2022)年度 | 649 | 80 | 12.3% | 40,418千円 |
| 令和5(2023)年度 | 571 | 70 | 12.3% | 40,136千円 |
| 令和6(2024)年度 | 547 | 65 | 11.9% | 48,368千円 |
| 令和7(2025)年度 | 568 | 69 | 12.1% | 43,542千円 |
| 令和8(2026)年度(確定値) | 606 | 69 | 11.4% | 37,428千円(当初計画に対する配分額) |
出典: 各年度の日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(各年度 新規採択分)」の基盤研究(S)行(令和4年度は令和5年1月現在、令和5年度は令和6年3月現在、令和6年度は令和7年3月現在、令和7年度は令和8年3月現在、令和8年度は令和8年8月現在・令和8年8月18日公表。いずれも2026年8月27日参照)。平均配分額は、令和4年度から令和7年度は当該年度の配分額、令和8年度は基金研究種目であるため「令和8年度の当初計画に対する配分額」が計上されており、定義が異なります(3節参照)。
1-1. 基盤研究(A)と比べてどれだけ低いか
同じ令和8年度の確定値で、基盤研究(A)は応募2,548件・採択612件で新規採択率24.0%でした。基盤研究(S)の11.4%はこれを大きく下回り、基盤研究の中で応募のハードルが最も高い種目であることが数字に表れています。応募総額の下限が5,000万円と大きく、審査もヒアリングを伴う総合審査(5節参照)であるため、応募の段階から研究計画の完成度と実績の双方が問われます。
表2. 令和8年度の新規採択率の比較(基盤研究(S)と基盤研究(A))
| 研究種目 | 新規応募(件) | 新規採択(件) | 新規採択率 |
|---|---|---|---|
| 基盤研究(S) | 606 | 69 | 11.4% |
| 基盤研究(A) | 2,548 | 612 | 24.0% |
出典: 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在、令和8年8月18日公表。2026年8月27日参照)。
なお、基盤研究(S)単独の年齢別・職位別の採択統計は公表されていません。日本学術振興会の「令和8(2026)年度科研費 年齢別・男女別・職種別新規応募・採択件数一覧」は、特別推進研究、学術変革領域研究(A・B)、基盤研究(S・A・B・C)、若手研究、挑戦的研究などを合算した集計であり、種目別の内訳は掲載されていません。
2. 金額と研究期間、実際の配分額
基盤研究(S)の応募総額は5,000万円以上2億円以下です。公募要領の定義により、応募総額は研究期間全体での総額を指します。研究期間は原則として5年間ですが、公募要領は「定年等により退職し、研究機関を離れることが予想される場合等には、例外として、3年間又は4年間の研究期間であっても差し支えありません」としています。
実際の配分額には二つの見方があります。令和8年度から基盤研究(S)が基金研究種目になった(3節参照)ことに伴い、令和8年8月18日公表の配分状況一覧には、令和8年度の当初計画に対する配分額(単年度分)と、研究期間全体の配分額の両方が掲載されているためです。金額を引用するときは、どちらの定義かを必ず添える必要があります。
表3. 令和8年度 基盤研究(S)新規採択分(69課題)の配分額(直接経費)
| 見方 | 配分額の総額 | 1課題当たり平均 | 1課題当たり最高 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度の当初計画に対する配分額(単年度分) | 2,582,500千円 | 37,428千円 | 84,300千円 |
| 研究期間全体の配分額 | 10,252,800千円 | 148,591千円(1億4,859万1千円) | 150,600千円(1億5,060万円) |
出典: 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在、令和8年8月18日公表。2026年8月27日参照)。単年度分は同一覧の注記「基金研究種目であるため、『配分額』欄及び『1課題当たりの配分額』欄には令和8年度の当初計画に対する配分額を計上」による値、研究期間全体分は同PDF内の基金研究種目集計表(注記「『配分額』欄及び『1課題当たりの配分額』欄には研究期間全体の配分額を計上」)の基盤研究(S)行による値です。研究期間全体分には間接経費3,075,840千円(30億7,584万円)が外数で措置されています。
研究期間全体の平均配分額148,591千円は、応募総額の上限2億円に対する実際の配分水準を示します。最高は150,600千円で、上限の2億円に達した課題はありません。過年度との比較をする場合は、表1に示した単年度配分額ベースの系列(令和8年度は37,428千円)を使い、定義の違いに注意してください。
3. 令和8年度からの基金化
基盤研究(S)は令和8年度から基金研究種目(学術研究助成基金助成金)になりました。令和8年度配分状況一覧の注記に「『学術変革領域研究(B)』(計画研究)及び『基盤研究(S)』は令和8年度から基金研究種目のため前年度実績は記載していない」とあり、令和9年度公募要領でも基盤研究(S)は〔学術研究助成基金助成金〕と表記されています。
この変更に伴い、配分状況一覧における配分額の計上方法が変わりました。2節で示したとおり、令和8年度の一覧には当初計画に対する単年度分と研究期間全体分の2種類の額が掲載されています。一方、基盤研究(A)は科学研究費補助金(補助金)のままであり、同じ「基盤研究」でも資金の形態が異なります(6節の比較表参照)。
4. 公募時期とスケジュール(基盤A・B・Cとの違い)
基盤研究(S)で最も間違えやすいのが公募時期です。基盤研究(A・B・C)・挑戦的研究・若手研究の令和9(2027)年度公募は2026年7月14日開始・9月17日締切ですが、基盤研究(S)はこの公募に含まれていません。基盤研究(S)は特別推進研究と同じ公募要領で先行して公募され、令和9年度分は2026年4月10日に開始、2026年6月16日(火)午後4時30分に締め切られました。日本学術振興会の公募ページには「令和9(2027)年度の公募は終了しました」と明記されています。
表4. 令和9(2027)年度 基盤研究(S)のスケジュール(予定を含む)
| 段階 | 時期 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8(2026)年4月10日 |
| 研究計画調書の提出(送信)期限 | 令和8(2026)年6月16日(火)午後4時30分(終了済み) |
| ヒアリング研究課題の選定結果の通知 | 令和8(2026)年11月下旬 |
| ヒアリングの実施(Web会議形式) | 令和8(2026)年12月から令和9(2027)年2月 |
| 審査結果通知 | 令和9(2027)年2月中旬(予定) |
| 交付内定 | 令和9(2027)年4月上旬(予定) |
| 交付決定 | 令和9(2027)年6月中旬(予定) |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(特別推進研究、基盤研究(S))」の公募スケジュール(予定)表および応募書類提出後のスケジュール(予定)、締切時刻と公募終了の表示は同会の特別推進研究・基盤研究(S)公募情報ページ(いずれも2026年8月27日参照)。予定は変更される可能性があります。
令和10(2028)年度の公募スケジュールは、本記事の作成時点(2026年8月27日)で未公表です。令和9年度公募の実績では4月10日開始・6月16日締切であったという事実を目安に、次回公募に向けては年度初めの公募情報の公表を待って準備することになります。基盤研究(S)は公募期間が春に置かれているため、9月の基盤研究(A・B・C)の締切に合わせた準備スケジュールでは間に合いません。
現在募集中の基盤研究(A・B・C)・挑戦的研究・若手研究の締切と提出手続きは科研費の締切はいつ?令和9年度は2026年9月17日で、審査結果が出る時期を他制度と並べた一覧は研究費の採択結果はいつ発表されるかで確認できます。募集中の公募を横断して探す場合は研究費サーチをご利用ください。
5. 審査の仕組み(総合審査・審査意見書・ヒアリング)
基盤研究(S)の審査区分は大区分で、応募時に審査区分表の大区分から一つを選びます。基盤研究(A)の中区分、基盤研究(B・C)の小区分と異なり、より広い分野のくくりで審査されます。審査方式は総合審査(書面審査及び合議審査)で、専門分野が近い国内の研究者が作成する審査意見書を活用し、ヒアリングを実施します。
令和9年度公募要領は審査の流れを次のように定めています。「『基盤研究(S)』は、研究計画調書及び専門分野が近い研究者が作成する審査意見書(国内の研究機関に所属する審査意見書作成者、3名程度が作成)等に基づき、大区分ごとに、6名の審査委員が全ての応募研究課題について、書面審査を行います。その後、書面審査と同一の審査委員が合議審査の場で各応募研究課題について幅広い視点から議論により審査を行い、ヒアリング研究課題を選定し、ヒアリングを行います」。応募件数が多い審査区分では、6名の審査委員により構成する複数の小委員会に分割して書面審査とヒアリング課題の選定を行い、ヒアリングは小委員会を統合して審査区分単位で行うとされています。
流れを整理すると次のとおりです。
- 専門分野が近い国内の研究者3名程度が審査意見書を作成する
- 大区分ごとに6名の審査委員が、研究計画調書と審査意見書等に基づき全課題の書面審査を行う
- 同一の審査委員による合議審査でヒアリング研究課題を選定する(令和9年度審査では選定結果の通知が令和8年11月下旬)
- ヒアリングを実施する(令和9年度審査ではWeb会議形式で令和8年12月から令和9年2月)
基盤研究(B・C)の2段階書面審査や、基盤研究(A)のヒアリングの規定がない総合審査と比べて、審査意見書とヒアリングという二つの過程が加わる点が基盤研究(S)の特徴です。書面で高い評価を得た後に、ヒアリングで研究計画を口頭で説明し質疑に応じる場面までを想定した準備が必要になります。研究計画調書の記載一般については研究計画調書の書き方と記入例を参照してください。なお、同じくヒアリングを行う特別推進研究では、審査体制が3分野別委員会(審査委員8名から14名)で、海外の研究者による審査意見書(3名程度)も活用される点が基盤研究(S)と異なります。
6. 基盤研究(A)との違い
基盤研究(S)と基盤研究(A)は、金額の区分が隣り合う種目ですが、制度上の違いは金額だけではありません。対象の定義も、基盤研究(S)が「一人又は比較的少人数の研究者で組織する研究計画」であるのに対し、基盤研究(A・B・C)は「一人又は複数の研究者で組織する研究計画」と書き分けられています。公募時期、資金の形態、審査方式、評価の仕組みまで、下の表のとおり広く異なります。
表5. 基盤研究(S)と基盤研究(A)の比較(令和9年度公募・令和8年度実績)
| 観点 | 基盤研究(S) | 基盤研究(A) |
|---|---|---|
| 応募総額(研究期間全体) | 5,000万円以上2億円以下 | 2,000万円以上5,000万円以下 |
| 研究期間 | 原則として5年間(例外として3年間又は4年間も可) | 3年から5年間 |
| 資金の形態 | 学術研究助成基金助成金(基金。令和8年度から) | 科学研究費補助金(補助金) |
| 対象 | 一人又は比較的少人数の研究者で組織する研究計画 | 一人又は複数の研究者で組織する研究計画 |
| 審査区分 | 大区分 | 中区分 |
| 審査方式 | 総合審査。審査意見書(国内3名程度)とヒアリングあり | 総合審査(書面審査及び合議審査)。ヒアリングの規定なし |
| 令和9年度の公募時期 | 2026年4月10日開始・6月16日締切 | 2026年7月14日開始・9月17日締切 |
| 令和8年度の新規採択率(確定値) | 11.4%(応募606件・採択69件) | 24.0%(応募2,548件・採択612件) |
| 中間評価・事後評価 | あり | 公募要領の当該項に記載なし |
出典: 基盤研究(S)の項目は日本学術振興会「令和9(2027)年度 公募要領(特別推進研究、基盤研究(S))」、基盤研究(A)の項目は同「令和9(2027)年度 公募要領(基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)」、採択率は同「配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在。いずれも2026年8月27日参照)。
応募する側から見た実務上の分かれ目は、公募時期と審査負担です。基盤研究(S)は春に締め切られるため、同じ年の秋の基盤研究(A)公募と準備時期が重なりません。一方で、審査意見書の対象になりヒアリングまで進む可能性のある基盤研究(S)は、応募書類の完成度への要求が一段高くなります。採択率も11.4%と24.0%で大きな開きがあるため、研究計画の規模が5,000万円を超えるかどうかに加え、この審査過程に耐える実績と計画の熟度があるかを基準に選ぶことになります。
7. 重複制限(若手研究2回目の緩和と応募順の注意)
基盤研究(S)に研究代表者として応募するとき、同じ年度に他の種目へも研究代表者として応募できるかどうかは、公募要領の「別表1 重複制限一覧表」で定められています。令和9年度公募要領の別表1(研究代表者から研究代表者への型)における基盤研究(S)(新規)の行は次のとおりです。
表6. 基盤研究(S)(新規)に研究代表者として応募する場合の重複制限(令和9年度公募)
| 同じ年度に研究代表者として応募したい種目 | 一覧表の記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 特別推進研究 | □ | 双方に応募できるが、双方採択となった場合は特別推進研究のみを実施 |
| 基盤研究(S)をもう1件 | 同一種目の記号 | 同一の研究種目においては、一つの研究課題にのみ応募できる |
| 基盤研究(A) | ■ | 双方に応募できるが、双方採択となった場合は基盤研究(S)のみを実施 |
| 基盤研究(B) | × | 一つの研究課題にのみ応募できる |
| 基盤研究(C) | × | 一つの研究課題にのみ応募できる |
| 若手研究(1回目) | × | 一つの研究課題にのみ応募できる |
| 若手研究(2回目) | ■ | 双方に応募できるが、双方採択となった場合は基盤研究(S)のみを実施 |
出典: 日本学術振興会「令和9(2027)年度 公募要領(特別推進研究、基盤研究(S))」別表1 重複制限一覧表(1-1)の基盤研究(S)・新規・研究代表者の行と凡例(2026年8月27日参照)。凡例では、×が「一つの研究課題にのみ応募できる(甲欄の研究課題に応募した場合には、乙欄の研究課題に応募できない)」、■が「双方の研究課題とも応募できるが、双方採択となった場合には、甲欄の研究課題の研究のみ実施する」、□が「双方の研究課題とも応募できるが、双方採択となった場合には、乙欄の研究課題の研究のみ実施する」を表します。応募前には必ず、応募年度の公募要領に掲載されている別表1の原本でご確認ください。
7-1. 若手研究2回目との重複は令和2年度公募から緩和
公募要領の留意事項は「令和2(2020)年度公募から、受給回数2回目の『若手研究』と『基盤研究(S)』との重複応募制限を緩和しています。詳細は『別表1 重複制限一覧表』を参照してください。」と記載しています。若手研究の受給が1回目の研究者は基盤研究(S)とどちらか一方にしか応募できませんが、2回目の応募者は双方に応募できます(双方採択の場合は基盤研究(S)のみを実施)。
7-2. 基盤研究(S)に出した後は、同じ年度の基盤研究(B)に出せない
公募時期が先行することに伴う注意点があります。令和9年度公募要領(基盤研究等)は「例1:基盤研究(S)に研究代表者として応募した後に、基盤研究(B)に研究代表者として応募することはできません(基盤研究(S)の応募を研究計画調書の提出(送信)期限後に取り下げた場合も同様)。」と明記しています。6月の基盤研究(S)に応募してから、審査の見通しを踏まえて9月の基盤研究(B)や(C)に保険として応募する、という戦い方は制度上できません。春の時点で、その年度にどの種目へ出すかを決めておく必要があります。
科研費の種目間の重複制限の全体像は科研費の重複制限 早見表(若手・萌芽・基盤Cの併願可否)で整理しています。
8. 中間評価と事後評価
基盤研究(S)では、採択後の評価が制度として組み込まれています。研究期間の中間年度に中間評価が、研究終了の翌年度に事後評価が行われます。公募要領は「中間評価の結果に基づき、研究経費の増額、減額、研究の中止等を行うことがあります」と記載しており、採択されれば研究期間を通じて満額が保証されるという性質のものではありません。
令和9年度公募要領の基盤研究(A・B・C)の当該項にはこの記載がなく、中間評価・事後評価は基盤研究の中で基盤研究(S)に固有の仕組みです。5年間で最大2億円という規模に対応して、計画の進捗が継続的に確認される設計になっています。応募段階の研究計画調書でも、中間評価の時点でどこまで到達しているかを説明できる計画の立て方が求められます。
9. よくある質問(FAQ)
基盤研究(S)の採択率は何%ですか。
令和8(2026)年度の新規採択率は11.4%です(新規応募606件、新規採択69件。令和8年8月18日公表の確定値)。令和4年度12.3%、令和5年度12.3%、令和6年度11.9%、令和7年度12.1%と推移しており、令和8年度の11.4%は直近5年間で最も低い値です。同じ令和8年度の基盤研究(A)の新規採択率は24.0%(応募2,548件・採択612件)で、基盤研究(S)はこれを大きく下回ります。
基盤研究(S)はいくら応募できますか。実際にはいくら配分されますか。
応募総額は5,000万円以上2億円以下で、これは研究期間全体での総額です。令和8(2026)年度に新規採択された69課題について、研究期間全体の配分額(直接経費)は1課題当たり平均148,591千円(1億4,859万1千円)、最高150,600千円(1億5,060万円)でした。このほかに間接経費3,075,840千円が外数で措置されています。令和8年度の当初計画に対する配分額(単年度分)で見ると、平均37,428千円、最高84,300千円です。
基盤研究(S)の公募はいつですか。9月の科研費締切で応募できますか。
できません。基盤研究(S)は基盤研究(A・B・C)と公募時期が異なります。令和9(2027)年度の基盤研究(S)は公募開始が令和8(2026)年4月10日、研究計画調書の提出(送信)期限が令和8(2026)年6月16日(火)午後4時30分で、日本学術振興会の公募ページには「令和9(2027)年度の公募は終了しました」と明記されています。2026年7月14日開始・9月17日締切の公募は基盤研究(A・B・C)・挑戦的研究・若手研究のもので、基盤研究(S)は含まれません。令和10年度の公募スケジュールは本記事の作成時点で未公表です。
基盤研究(S)の審査はどう行われますか。ヒアリングはありますか。
ヒアリングがあります。基盤研究(S)は応募時に大区分を一つ選び、研究計画調書と、専門分野が近い国内の研究者3名程度が作成する審査意見書等に基づき、大区分ごとに6名の審査委員が全ての応募研究課題について書面審査を行います。その後、書面審査と同一の審査委員が合議審査でヒアリング研究課題を選定し、ヒアリングを行います(総合審査)。令和9年度審査では、ヒアリング研究課題の選定結果の通知が令和8(2026)年11月下旬、ヒアリングの実施(Web会議形式)が令和8(2026)年12月から令和9(2027)年2月の予定です。
基盤研究(S)と基盤研究(A)は何が違いますか。
応募総額は基盤研究(S)が5,000万円以上2億円以下、基盤研究(A)が2,000万円以上5,000万円以下です。研究期間は基盤研究(S)が原則として5年間、基盤研究(A)が3年から5年間。資金の形態は基盤研究(S)が学術研究助成基金助成金(基金)、基盤研究(A)が科学研究費補助金(補助金)です。審査は基盤研究(S)が大区分ごとの総合審査で審査意見書とヒアリングを伴うのに対し、基盤研究(A)は中区分ごとの総合審査でヒアリングの規定はありません。公募時期も異なり、令和9年度は基盤研究(S)が2026年4月10日開始・6月16日締切、基盤研究(A)が2026年7月14日開始・9月17日締切でした。令和8年度の新規採択率は基盤研究(S)が11.4%、基盤研究(A)が24.0%です。また基盤研究(S)には中間評価・事後評価があります。
基盤研究(S)は若手研究と重複して応募できますか。
受給回数2回目の若手研究については、令和2(2020)年度公募から基盤研究(S)との重複応募制限が緩和されています。公募要領は「令和2(2020)年度公募から、受給回数2回目の『若手研究』と『基盤研究(S)』との重複応募制限を緩和しています。詳細は『別表1 重複制限一覧表』を参照してください。」と記載しています。令和9年度公募要領の別表1では、基盤研究(S)(新規・研究代表者)の行で若手研究(1回目)は「×」(一つの研究課題にのみ応募できる)、若手研究(2回目)は「■」(双方に応募でき、双方採択の場合は基盤研究(S)のみ実施)とされています。応募前に必ず応募年度の公募要領の別表1の原本でご確認ください。
基盤研究(S)に応募した後、基盤研究(B)や(C)に応募できますか。
できません。令和9(2027)年度公募要領(基盤研究等)は「例1:基盤研究(S)に研究代表者として応募した後に、基盤研究(B)に研究代表者として応募することはできません(基盤研究(S)の応募を研究計画調書の提出(送信)期限後に取り下げた場合も同様)。」と明記しています。基盤研究(S)の公募(6月締切)が基盤研究(A・B・C)の公募(9月締切)より先に行われるため、基盤研究(S)に出してから結果を見て同じ年度の基盤研究(B)に出し直す、という応募はできません。別表1では基盤研究(S)(新規・研究代表者)に対して基盤研究(B)・基盤研究(C)はいずれも「×」です。
基盤研究(S)に中間評価や事後評価はありますか。
あります。基盤研究(S)では研究期間の中間年度に中間評価が、研究終了の翌年度に事後評価が行われます。公募要領は「中間評価の結果に基づき、研究経費の増額、減額、研究の中止等を行うことがあります」と記載しています。令和9年度公募要領の基盤研究(A・B・C)の当該項にはこの記載がなく、基盤研究(S)に固有の仕組みです。
10. 関連ガイド
- 科研費 基盤研究S・A・Bの金額と採択率: 基盤研究S・A・B・Cを横断で比較
- 基盤研究(C)の採択率・金額・重複: 応募件数が最も多い種目の専用ガイド
- 科研費の締切はいつ?令和9年度は2026年9月17日: 種目別スケジュールの一覧
- 科研費の重複制限 早見表(若手・萌芽・基盤Cの併願可否): 種目の組み合わせごとの可否
- 研究費の採択結果はいつ発表されるか: 2026年秋から2027年春の発表時期一覧
- 研究計画調書の書き方と記入例: 概要10行の書き方と評定要素への対応
出典・参考文献
- 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領(特別推進研究、基盤研究(S))」 https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_tokus2026/r9_4_kobo.pdf(2026年8月27日参照。対象・応募総額・研究期間・資金の形態・審査区分・審査方式・審査意見書・ヒアリング・公募スケジュール・中間評価・事後評価・若手研究2回目の重複緩和・別表1 重複制限一覧表・問い合わせ先)
- 日本学術振興会「特別推進研究・基盤研究(S)」公募情報 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/toku_s.html(2026年8月27日参照。提出期限の時刻、「令和9(2027)年度の公募は終了しました」の表示)
- 日本学術振興会「令和9(2027)年度 科学研究費助成事業 公募要領 基盤研究(A・B・C)挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究」 https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_kiban_2026_g_4978/r9_7_kobo.pdf(2026年8月27日参照。基盤研究(A)の応募総額・研究期間・審査区分・審査方式・対象の定義、基盤研究(S)応募後の重複制限の例1)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在、令和8年8月18日公表) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_5144/3-1-1_r8_0818.pdf(2026年8月27日参照。令和8年度の新規応募・新規採択・新規採択率・配分額(当初計画分と研究期間全体分)・間接経費、基金化の注記、基盤研究(A)の採択実績)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和7年度 新規採択分)」(令和8年3月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_4795/3-1-1_r7_0330.pdf(2026年8月27日参照。令和7年度の基盤研究(S)の実績)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和6年度 新規採択分)」(令和7年3月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_4305/3-1-1_r6_0321.pdf(2026年8月27日参照。令和6年度の基盤研究(S)の実績)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和5年度 新規採択分)」(令和6年3月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_2247/3-1-1_r5_0322.pdf(2026年8月27日参照。令和5年度の基盤研究(S)の実績)
- 日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和4年度 新規採択分)」(令和5年1月現在) https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_2022-2/3-1-1_r4_0317.pdf(2026年8月27日参照。令和4年度の基盤研究(S)の実績)
- 日本学術振興会「令和8(2026)年度科研費 年齢別・男女別・職種別新規応募・採択件数一覧」 https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_27_kdata_g_5144/3-5_r8_0818.pdf(2026年8月27日参照。集計対象が複数種目の合算であり種目別の年齢統計が無いことの確認)
- 日本学術振興会「科研費データ」 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/27_kdata/index.html(2026年8月27日参照。配分状況一覧の掲載元)
最終更新:
検証方針: 本記事の制度・数値は日本学術振興会の公式資料を一次ソースとして確認しています。応募総額・研究期間・資金の形態・審査方式・審査意見書・ヒアリング・公募スケジュール・中間評価・事後評価・重複制限は令和9(2027)年度公募要領(特別推進研究、基盤研究(S))PDFの記載を、基盤研究(A)との比較項目と基盤研究(S)応募後の重複制限の例は同年度公募要領(基盤研究(A・B・C)等)PDFの記載を参照しました。採択率と配分額は各年度の「配分状況一覧」の掲載値であり、本記事で新たに算出した値はありません。令和8年度の値は2026年8月18日公表の確定値です。基盤研究(S)は令和8年度から基金研究種目となったため、配分額には当該年度の当初計画分と研究期間全体分の2種類があり、本文ではその定義を明記して区別しています。別表1の重複制限は、応募前に必ず該当年度の公募要領の原本でご確認ください。令和10年度の公募スケジュールは本記事の更新時点で未公表であり、次回公募の時期を推測で記載していません。問い合わせ先は日本学術振興会 研究事業部研究助成第一課(03-3263-4388 基盤研究(S)担当)です。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ず各機関の公式サイトにご確認ください。