JSTさきがけ・CREST応募ガイド2026|研究提案書の書き方と採択のコツ
JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)の戦略的創造研究推進事業は、日本の基礎研究を支える最も重要な競争的資金の一つです。さきがけ(PRESTO)、CREST、ACT-X、ERATOの各プログラムは、研究者のキャリアステージや研究規模に応じた多様な支援を提供しています。
本ガイドでは、各プログラムの概要から、研究提案書の書き方、面接審査の対策、採択率のデータまで、応募を検討する研究者に向けて詳しく解説します。
目次
1. JSTの戦略的創造研究推進事業とは
戦略的創造研究推進事業は、文部科学省が定める「戦略目標」に基づき、JSTが設定する研究領域において、独創的・挑戦的な基礎研究を推進する事業です。科研費がボトムアップ型(研究者が自由にテーマを設定)であるのに対し、JST事業はトップダウン型(国の戦略目標に沿った研究領域が設定される)という特徴があります。
4つの主要プログラム
| プログラム | 研究形態 | 研究期間 | 研究費規模 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| さきがけ(PRESTO) | 個人型 | 3年半以内 | 3,000〜4,000万円/課題 | 若手〜中堅研究者 |
| CREST | チーム型 | 5年半以内 | 1.5〜5億円/チーム | トップレベル研究者 |
| ACT-X | 個人型 | 2年半以内 | 450〜600万円/課題 | 若手研究者・大学院生 |
| ERATO | 総括実施型 | 約5年 | 年間数億円規模 | 研究総括候補者(推薦) |
いずれのプログラムでも、研究総括(Research Supervisor)が各研究領域を統括し、採択から研究期間中のマネジメントまでを担います。研究総括の方針や求める研究像を理解することが、採択への重要な鍵となります。
科研費との違い
| JST事業(さきがけ・CREST等) | 科研費 | |
|---|---|---|
| 研究テーマ | 国の戦略目標に基づく研究領域から選択 | 研究者が自由に設定 |
| 審査方式 | 書類審査+面接審査(2段階) | 書類審査のみ(一部種目を除く) |
| マネジメント | 研究総括による積極的なマネジメント | 研究者の自主性に委ねる |
| ネットワーク | 領域会議等で異分野研究者と交流 | 個別の研究活動が中心 |
| 研究費規模 | 比較的大型(さきがけでも3,000万円〜) | 種目による(基盤Cは500万円以内) |
2. さきがけ(PRESTO)――個人型の挑戦的研究
さきがけの基本情報
- 正式名称: 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)/ PRESTO
- 研究期間: 3年6ヶ月以内
- 研究費: 総額3,000〜4,000万円程度/課題
- 採択数: 1領域あたり30〜40件程度(全領域計で約170件/年)
- 採択率: 全体で約10%前後(領域により5〜15%)
- 申請システム: e-Rad
2-1. さきがけの特徴
さきがけは、研究者が個人として独立した研究を行うプログラムです。科研費の若手研究や基盤研究とは異なり、以下の特徴があります。
- 兼任型の研究: 所属機関での職務を続けながら、さきがけの研究を兼任で行う(原則として専任ではない)
- 研究総括による柔軟なマネジメント: 研究総括が進捗に応じて研究の方向修正、加速、場合によっては中止を指示することがある
- 領域会議・ネットワーク形成: 年に数回の領域会議(合宿形式を含む)で、同じ領域の異分野研究者と交流し、新たな共同研究の種が生まれることも多い
- サイトビジット: 研究総括やアドバイザーが研究現場を訪問し、直接助言を行う
- 海外研究者との交流: 海外派遣や国際ワークショップ等の支援メニューがある
2-2. 対象者・応募資格
さきがけの応募資格は比較的幅広く設定されていますが、実質的には以下のような研究者が中心です。
- 国内外の大学、研究機関、企業等に所属する研究者
- 博士の学位を有する者(または同等の研究能力を持つ者)
- 研究倫理教育プログラムを修了していること
- 年齢制限はないが、実態としては30代〜40代前半が多い
- 現在CRESTやさきがけの研究期間中でないこと(当該年度で終了する場合を除く)
※大学院生は原則として応募対象外です。博士課程学生はACT-Xをご検討ください。
2-3. 研究領域の選び方
さきがけでは、毎年15領域前後で研究提案を募集しています。自分の研究テーマに合った領域を選ぶことが採択の大前提です。
領域選択のポイント
- 研究領域の趣旨文を精読する: 各領域の「研究領域の概要」と「募集・選考の方針」を熟読し、研究総括がどのような研究を求めているかを把握する
- 過去の採択課題を確認する: 過去2〜3年の採択課題名を見て、自分の研究がフィットするか判断する
- 研究総括のバックグラウンドを理解する: 研究総括の専門分野や研究哲学を理解し、総括に響く提案を意識する
- 複数領域への応募も検討する: 学際的な研究の場合、複数の領域に該当する可能性がある(ただし同時応募の制限に注意)
- 新規領域を狙う: 発足1〜2年目の新しい領域は、まだ認知度が低く応募数が少ないため、採択率が高くなる傾向がある
2-4. 採択率・採択傾向
| 年度 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 1,636件 | 175件 | 約10.7% |
| 2025年度 | 1,734件 | 168件 | 約9.7% |
領域別に見ると、採択率には大きな幅があります。例えば2025年度では、量子物質領域が約5.7%(応募246件/採択14件)である一方、他の領域では14.8%(応募88件/採択13件)に達するものもあります。
3. CREST――チーム型の大型研究
CRESTの基本情報
- 正式名称: 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)
- 研究期間: 5年6ヶ月以内
- 研究費: 総額1.5億〜5億円程度/チーム
- 採択数: 1領域あたり10〜20件程度(全領域計で約60件/年)
- 採択率: 全体で約7%前後
- 申請システム: e-Rad
3-1. CRESTの特徴
CRESTは、国際的に高い水準にある研究代表者が率いるベストチームを支援するプログラムです。数億円規模の研究費を得て、複数の研究機関にまたがるチームで大型の共同研究を行います。
- 研究代表者が研究チーム全体を統括し、責任を持つ
- 主たる共同研究者(共同研究グループのリーダー)を複数名含むチーム構成
- 産業界からの参画や異分野融合のチーム構成が求められる場合がある
- ポスドク・大学院生の参画を奨励(人材育成も重要なミッション)
- 研究総括のマネジメントの下、領域会議で他チームとも交流
3-2. さきがけとの違い
| さきがけ | CREST | |
|---|---|---|
| 研究形態 | 個人型(1人の研究者) | チーム型(複数研究者) |
| 研究費 | 3,000〜4,000万円 | 1.5〜5億円 |
| 研究期間 | 3年半以内 | 5年半以内 |
| 代表者の年齢層 | 30代〜40代前半が中心 | 40代後半〜50代が中心 |
| ポジション | 助教〜准教授が多い | 准教授〜教授が多い |
| 求められるもの | 個人の独創的なアイデア | チームとしての研究戦略 |
| 採択率 | 約10% | 約7% |
3-3. 研究代表者・主たる共同研究者の要件
CRESTの研究代表者には、以下が求められます。
- 国際的に高い水準の研究業績を有すること
- チームを組織・マネジメントする能力があること
- 研究期間を通じて安定した研究環境を確保できること
- 研究倫理教育プログラムを修了していること
主たる共同研究者についても、各サブテーマを独立して遂行できる研究能力が求められます。チーム構成においては、なぜそのメンバーが必要かを明確に説明できることが重要です。
3-4. 提案書の構成
CRESTの研究提案書では、以下の項目について記述が求められます。
- 研究構想: 研究の背景、目的、独創性、研究計画の全体像
- 研究体制: チーム構成、各メンバーの役割と相互連携
- 研究の将来展望: 期待される成果とその科学的・社会的インパクト
- 研究代表者の業績: 研究実績、論文リスト、獲得資金の実績
- 研究費の計画: 年度ごとの使途と積算根拠
3-5. 採択率データ
| 年度 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 574件 | 50件 | 約8.7% |
| 2025年度 | 826件 | 60件 | 約7.3% |
4. ACT-X――若手・博士課程学生向け
ACT-Xの基本情報
- 研究期間: 2年6ヶ月以内
- 研究費: 総額450〜600万円程度/課題
- 加速フェーズ: 有望課題には追加で最大1,000万円/1年間
- 採択数: 1領域あたり60〜90件程度(全領域計で約110件/年)
- 採択率: 全体で約15%前後
- 対象: 博士取得後8年未満(学士取得後13年未満)。大学院生も応募可能
4-1. ACT-Xの特徴
ACT-Xは、独創的で挑戦的なアイデアを持つ若手研究者の発掘・育成を目的としたプログラムです。さきがけよりも研究費は小さいものの、以下の特徴があります。
- 博士課程学生を含む大学院生も応募可能(さきがけとの最大の違い)
- 1領域あたり60〜90件の採択で、多様な研究者のネットワークを形成
- 研究成果が優れた課題には「加速フェーズ」として最大1,000万円の追加支援
- さきがけと同様に、領域会議での異分野交流や研究総括によるメンタリングを受けられる
- 若手のキャリア形成のステップとして、将来のさきがけ・CREST応募につなげることも期待されている
4-2. さきがけとの違い
| ACT-X | さきがけ | |
|---|---|---|
| 対象者 | 若手研究者・大学院生 | 研究者(博士取得者中心) |
| 研究費 | 450〜600万円 | 3,000〜4,000万円 |
| 研究期間 | 2年半以内 | 3年半以内 |
| 採択率 | 約15% | 約10% |
| 位置づけ | 若手育成・キャリア初期 | 独立した研究者の挑戦 |
4-3. 2025年度の研究領域(参考)
2025年度のACT-Xでは以下の5領域で募集が行われました。
- 生体機能
- 生命と情報
- サイバーインフラ
- 次世代AI・数理情報
- トランススケール
※2026年度の募集領域は2026年春頃に公表される見込みです。
5. ERATO――研究総括主導型の大規模研究
ERATOの基本情報
- 正式名称: 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)
- 研究期間: 約5年間
- 研究費: 年間数億円規模(プロジェクトあたり総額十数億円〜数十億円)
- 選定方式: 研究総括候補者・テーマの推薦を受け付ける方式(自薦も可)
- 推薦公募: 通年で受付(翌年度選考に向けた締切あり)
5-1. ERATOの特徴
ERATOは1981年に創設された歴史あるプログラムで、JST事業の中で最も大型です。他のプログラムとは根本的に異なる特徴があります。
- 研究者が直接応募するのではなく、推薦方式: 大学長、研究機関長、学会長、JSTが指定する有識者等が研究総括候補者とテーマを推薦する(自薦も可能)
- 研究総括がプロジェクト全体を主導: 採択された研究総括は、研究計画の立案、研究者の採用、研究グループの指導・管理を自ら行う
- 学際的なチーム編成: 研究総括がさまざまな分野から最高の研究者を集め、学際研究を推進する
- 10〜15年先を見据えた革新的研究: 学問分野の方向性を変えるような、新たな境地を切り開く研究が期待される
5-2. ERATOと他のプログラムの比較
ERATOは規模・選定方式ともに特殊なプログラムです。通常の研究者がまず目指すべきはさきがけやCRESTであり、ERATOは卓越した研究業績と構想力を持つトップ研究者が挑むプログラムと言えます。
6. 2026年度の公募スケジュールと研究領域
6-1. 例年のスケジュール
CREST・さきがけ・ACT-Xの公募は、例年以下のスケジュールで実施されています。2026年度も同様のスケジュールが見込まれます。
| 時期 | イベント |
|---|---|
| 3月下旬〜4月上旬 | 募集要項公開、公募開始 |
| 4月〜5月 | 研究領域説明会(オンライン開催) |
| 6月上旬 | 応募締切 |
| 6月〜7月 | 書類審査(1次選考) |
| 7月 | 書類審査結果通知、面接審査案内 |
| 7月〜8月 | 面接審査(2次選考) |
| 9月 | 採択結果発表 |
| 10月〜 | 研究開始 |
注意: 2026年度の具体的な公募情報(募集領域・スケジュール)は、2026年2月時点ではまだ公表されていません。最新情報はJST研究提案募集ページでご確認ください。
6-2. 2025年度の研究領域(参考)
2026年度の募集領域の参考として、2025年度に募集が行われた領域を以下に掲載します。
CREST(12領域)
| # | 研究領域名 | 分野 |
|---|---|---|
| 1 | ゆらぎ材料 | ナノテク・材料 |
| 2 | 実環境知能システム | 情報通信 |
| 3 | 共生AI学際システム | 情報通信 |
| 4 | 超生体組織 | ライフ |
| 5 | 予測数学基盤 | 情報通信 |
| 6 | 光融合 | ナノテク・材料 |
| 7 | 材料創製と循環 | グリーン |
| 8 | 生命力 | ライフ |
| 9 | 量子フロンティア | ナノテク・材料 |
| 10 | 海洋カーボン | グリーン |
| 11 | ナノ物質半導体 | ナノテク・材料 |
| 12 | 細胞を遊ぶ | ライフ |
さきがけ(15領域)
| # | 研究領域名 | 分野 |
|---|---|---|
| 1 | 量子物質 | ナノテク・材料 |
| 2 | ゆらぎ材料 | ナノテク・材料 |
| 3 | 実世界知能基盤 | 情報通信 |
| 4 | 共生AI基盤 | 情報通信 |
| 5 | 超生体組織 | ライフ |
| 6 | 研究開発プロセス革新 | 情報通信 |
| 7 | 未来数理科学 | 情報通信 |
| 8 | 光融合 | ナノテク・材料 |
| 9 | 材料の創製・循環 | グリーン |
| 10 | 生命力の二面性 | ライフ |
| 11 | 量子フロンティア | ナノテク・材料 |
| 12 | 海洋バイオスフィア | グリーン |
| 13 | ナノマテリアル・デバイス | ナノテク・材料 |
| 14 | 人間中心インタラクション | 情報通信 |
| 15 | 計測解析基盤 | 情報通信 |
※2026年度は上記に加え、新規に発足する研究領域が追加される可能性があります。
7. 研究提案書の書き方のコツ
さきがけ・CRESTの採択率は10%以下です。限られた紙面で審査員に強い印象を残すために、以下のポイントを押さえましょう。
7-1. 研究構想のストーリーを明確にする
- 「何を」「なぜ」「どうやって」を冒頭で明示する: 審査員は数百件の提案を読む。最初の1ページで研究の核心が伝わらなければ、深く読んでもらえない
- 背景→課題→仮説→アプローチ→期待される成果の流れを論理的に構成する
- 「これまでの研究の延長」ではなく「新しい挑戦」を強調する: さきがけ・CRESTは科研費と異なり、「挑戦的」であることが重視される
7-2. 研究領域との整合性を示す
- 研究総括が求める研究像にフィットさせる: 領域の趣旨文をよく読み、「この領域でなければならない理由」を明確にする
- 領域内のネットワーク効果を意識する: さきがけでは異分野研究者との交流が重視される。自分の研究が領域内の他の研究とどう相互作用するかを書く
- 戦略目標との関連を明記する: 文部科学省が定める戦略目標にどう貢献するかを一文でも入れる
7-3. 具体的な研究計画を示す
- 年次計画を明確にする: 「3年半で何をどこまでやるか」のマイルストーンを示す
- 予備データ・実現可能性を示す: 提案の実現性を裏付ける予備実験データがあれば、必ず盛り込む
- リスクと対策を書く: 挑戦的な研究ほど失敗のリスクがある。リスクを認識し、代替案を用意していることを示す
7-4. さきがけ特有のポイント
- 「個人の独創性」を全面に出す: さきがけは個人型。チームの力ではなく、自分自身のアイデアと実行力をアピールする
- 「さきがけならでは」の要素を入れる: 所属機関の通常の研究費では実現困難な、さきがけの研究環境(異分野交流、メンタリング等)を活かす計画を盛り込む
- 兼任で実施可能であることを示す: 所属機関での業務と両立できる計画になっているか。無理のないスケジュールを示す
7-5. CREST特有のポイント
- チーム構成の必然性を示す: 各メンバーが「なぜ必要か」を明確に。名前だけのメンバーは逆効果
- 研究代表者のリーダーシップを示す: チーム全体をどうマネジメントするか。各グループ間の連携方法を具体的に
- 5年半の長期ビジョンを示す: 前半で基盤を固め、後半で統合・展開するようなストーリーが効果的
8. 面接審査の対策
さきがけ・CREST・ACT-Xでは、書類審査を通過した候補者が面接審査に臨みます。面接審査は採択の最終関門であり、しっかりとした準備が必要です。
8-1. 面接審査の形式
| さきがけ | CREST | ACT-X | |
|---|---|---|---|
| プレゼン時間 | 約10分 | 約15〜20分 | 約10分 |
| 質疑応答 | 約10分 | 約15〜20分 | 約10分 |
| 審査員 | 研究総括、領域アドバイザー | 研究総括、領域アドバイザー | 研究総括、領域アドバイザー |
| 実施方式 | 対面またはオンライン | 対面またはオンライン | 対面またはオンライン |
8-2. プレゼンテーションの準備
- スライドは8〜10枚程度に絞る: 限られた時間で核心を伝える。情報過多は逆効果
- 最初の2分で研究の全体像を伝える: 「何を、なぜ、どうやって」を冒頭で明確に
- 図やグラフを効果的に使う: テキストだらけのスライドは避け、視覚的に分かりやすく
- 予備データを見せる: 実現可能性を示す実験データがあれば、必ずスライドに含める
- 時間厳守: 制限時間を超えると印象が悪い。必ず事前にリハーサルを行う
8-3. 質疑応答で聞かれやすい質問
- この研究の最も独創的な点は何ですか?: 既存研究との差別化ポイントを簡潔に
- なぜこの研究領域に応募したのですか?: 領域との整合性、研究総括の方針との関連を
- 3年半(5年半)で何をどこまで達成しますか?: 具体的なマイルストーンを示す
- 最大のリスクは何ですか?失敗した場合の代替案は?: リスク認識と対処法を準備
- この研究の将来的なインパクトは?: 科学的・社会的な波及効果を語る
- 所属機関の研究との切り分けは?: さきがけ固有の研究であることを示す
8-4. 面接のコツ
- 自信を持って、明確に答える: 「多分」「かもしれません」などの曖昧な表現は避ける
- 質問の意図を正確に理解する: 分からない場合は「ご質問の趣旨は〇〇ということでしょうか?」と確認する
- 分からないことは正直に答える: 知らないことを取り繕うよりも、「その点は今後検討したい」と正直に言う方が好印象
- 研究への情熱を伝える: 技術的な説明だけでなく、なぜこの研究に取り組みたいのかという動機を伝える
9. 共通の審査基準と採択のポイント
JST戦略的創造研究推進事業の審査では、以下の観点が重視されます。
9-1. 審査の主な観点
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 学術的レベル・独創性 | 国際的に高い水準にあるか。既存研究にはない新規性・独創性があるか |
| 研究の挑戦性 | 従来の枠組みを超えた挑戦的な研究構想か。高いリスクと高いリターンが見込めるか |
| 研究領域への適合性 | 研究領域の趣旨・方針に合致しているか。領域内の他の研究との相互作用が期待できるか |
| 実現可能性 | 提案する研究計画が実現可能か。予備データや研究者の実績から判断 |
| 将来の発展性 | 研究成果が科学技術の発展にどう貢献するか。社会実装の可能性も含む |
| 研究者の能力 | 研究遂行能力、実績、リーダーシップ(CRESTの場合) |
9-2. 採択されるためのチェックリスト
- ☑ 研究領域の趣旨文・選考方針を熟読したか
- ☑ 研究総括のバックグラウンドと求める研究像を理解したか
- ☑ 過去2〜3年の採択課題を確認し、自分の研究の位置づけを把握したか
- ☑ 研究の独創性・新規性を1文で説明できるか
- ☑ 予備データ・実現可能性の裏付けがあるか
- ☑ 研究計画のマイルストーンが具体的か
- ☑ リスクと代替案を記載したか
- ☑ 科研費との研究の切り分けが明確か
- ☑ 研究倫理教育プログラムを修了しているか
- ☑ e-Radの登録情報が最新か
9-3. よくある不採択の原因
- 研究領域とのミスマッチ: 良い研究でも、応募先の領域に合っていなければ採択されない
- 既存研究の延長にすぎない: 科研費で実施中の研究をそのまま持ってきた印象を与える提案
- 独創性の説明不足: 何が新しいのかが審査員に伝わらない
- 実現可能性への疑問: 壮大な構想だが、予備データもなく実現の見通しが不明確
- 研究計画が漠然としている: 「〇〇を明らかにする」だけで、具体的なアプローチが不明
10. FAQ――よくある質問
Q1. さきがけとCRESTの違いは何ですか?
A. さきがけは個人型研究で、研究期間3年半以内、研究費総額3,000〜4,000万円程度です。研究者が個人で独立した研究を行います。CRESTはチーム型研究で、研究期間5年半以内、研究費総額1.5〜5億円程度です。研究代表者がチームを組織し、複数機関で共同研究を行います。さきがけは若手〜中堅研究者(助教〜准教授)が多く、CRESTは准教授〜教授クラスの実績ある研究者が中心です。
Q2. さきがけの採択率はどのくらいですか?
A. さきがけの採択率は領域によって異なりますが、全体では約10%前後です。2024年度は応募1,636件に対し採択175件(約10.7%)、2025年度は応募1,734件に対し採択168件(約9.7%)でした。領域によって5%〜15%程度の幅があります。人気の高い領域は応募が多く、採択率が低くなる傾向があります。
Q3. 博士課程の学生でもJSTの事業に応募できますか?
A. ACT-Xは大学院生(博士課程学生を含む)も応募可能です。博士の学位取得後8年未満(博士未取得の場合は学士取得後13年未満、いずれも産休・育休期間を除く)が対象で、研究費は総額450〜600万円程度、研究期間は2年半以内です。さきがけ・CRESTについては、博士の学位を持つ研究者が主な対象となり、大学院生の応募は原則として想定されていません。
Q4. さきがけの面接審査ではどのような質問がされますか?
A. さきがけの面接審査では、書類選考を通過した候補者がプレゼンテーション(約10分)と質疑応答(約10分)を行います。主な質問は、(1)研究の独創性・新規性は何か、(2)なぜこの研究領域に応募したのか、(3)3年半で何をどこまで達成するか、(4)この研究が将来どのような科学的・社会的インパクトを生むか、(5)リスクへの対処法は何か、といった内容です。研究総括や領域アドバイザーが審査を行います。
Q5. CRESTとさきがけに同時に応募できますか?
A. CRESTとさきがけへの同時応募は可能ですが、同一人物が研究代表者として両方に採択されることはありません。両方に採択された場合は、どちらか一方を選択する必要があります。また、現在CRESTまたはさきがけの研究期間中の場合は、原則として新たな応募はできません(研究期間が当該年度で終了する場合を除く)。詳細は各年度の募集要項でご確認ください。
Q6. さきがけ・CRESTの公募はいつ頃始まりますか?
A. 例年、CREST・さきがけ・ACT-Xの研究提案募集は4月上旬頃に開始され、6月上旬頃に締め切られます(約2ヶ月間)。書類審査の結果は7月頃に通知され、面接審査は7〜8月に実施されます。採択結果の発表は9月頃です。ただし、年度によってスケジュールが変わる場合がありますので、JST公式サイトで最新情報を確認してください。
Q7. ERATOに応募するにはどうすればよいですか?
A. ERATOは他のJST事業とは異なり、研究者が直接応募するのではなく、研究総括候補者とテーマの推薦を受け付ける形式です。大学や研究機関の長、学会長、JSTが指定する有識者などが推薦を行います。自薦も可能です。推薦公募は通年で行われ、翌年度の選考に向けた締切が設定されます(例:2026年度選考の締切は2025年9月30日でした)。研究総括に選ばれると、年間数億円規模の研究費で5年間の大型プロジェクトを主導できます。
※AIによる情報のため、各プログラムの詳細はJST公式の研究提案募集ページで必ずご確認ください。
11. 関連リンク
JST公式
- CREST・さきがけ・ACT-X 研究提案募集ページ -- 公募情報・募集要項
- さきがけ(PRESTO)トップページ
- CREST トップページ
- ACT-X トップページ
- ERATO トップページ
- さきがけ 研究領域一覧
- CREST 研究領域一覧
- さきがけガイド(研究者向けハンドブック)
- 募集・採択情報(過去の採択課題一覧)
研究費サーチの関連ページ
- 研究費サーチ JSTの公募一覧 -- JSTの最新公募を一覧表示
- 研究費サーチ トップページ -- 研究費・助成金を横断検索
まとめ
JST戦略的創造研究推進事業(さきがけ・CREST・ACT-X・ERATO)への応募で押さえるべきポイントを振り返ります。
- 自分のキャリアステージに合ったプログラムを選ぶ: 大学院生はACT-X、若手〜中堅はさきがけ、トップレベルの研究者はCREST
- 研究領域の選択が最重要: 研究総括の方針と自分の研究がフィットする領域を見極める
- 独創性と挑戦性を強調する: 科研費の延長ではなく、新しい挑戦であることを明確に
- 具体的な計画と予備データで実現可能性を示す: 壮大な構想と具体的な裏付けの両立が鍵
- 面接審査は十分にリハーサルする: 時間配分、想定質問への回答を事前に準備
- 不採択でも再挑戦する: 採択率10%前後は厳しい数字だが、フィードバックを活かして再応募し、採択に至った研究者も多い
さきがけ・CRESTは、科研費とは異なる独自の研究支援の仕組み(研究総括によるマネジメント、異分野ネットワーク、領域会議での交流など)を提供しています。採択されれば研究費だけでなく、研究者としての視野を広げる貴重な経験が得られます。ぜひ応募を検討してみてください。
本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。各プログラムの詳細・最新の公募要件については、必ずJST公式サイトでご確認ください。
最終更新: 2026年2月23日