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大学事務担当者のためのe-Rad申請手続き完全マニュアル2026

e-Rad(府省共通研究開発管理システム)は、科研費をはじめとする競争的研究費の申請・管理に不可欠なシステムです。研究者が応募書類を作成する一方で、大学の学術支援課・研究推進課の事務担当者には、研究者登録の管理、公募情報の学内周知、申請書類の機関承認といった重要な役割があります。本マニュアルでは、事務担当者の視点からe-Radの運用を体系的に解説します。

1. はじめに -- e-Radにおける事務担当者の役割

e-Rad(Research and Development management system)は、内閣府が運用する府省共通研究開発管理システムです。科研費、JST事業、AMED事業、NEDO事業など、国の競争的研究費のほぼすべてがこのシステムを通じて管理されています。

研究者はe-Radを「応募のためのシステム」として認識していますが、実際にはシステムの安定運用は大学事務担当者の働きに大きく依存しています。事務担当者の業務は大きく以下の4つに分類されます。

業務カテゴリ具体的な内容時期
研究者情報管理新任教員の登録、異動・退職処理、情報更新通年(特に4月・10月)
公募情報の周知e-Radの公募一覧から該当分野の公募を抽出し学内通知通年
機関承認研究者が作成した申請書の内容確認・承認・提出各公募の締切前
採択後の管理交付申請、実績報告、繰越手続き等採択後~事業終了

本マニュアルでは、特に公募申請に関わる業務(研究者登録、公募周知、機関承認)に焦点を当てて解説します。「研究者から急に相談が来た」「初めてe-Radの事務担当者になった」という場面でも、このガイドを参照すれば対処できるよう構成しています。

対象読者: 大学・研究機関の学術支援課、研究推進課、研究協力課などで、e-Radの事務担当者として業務を行う方。新任の方にも分かるよう基礎から解説しています。

2. 事前準備(公募前にやること)

公募が始まってから慌てないために、事前に以下の準備を整えておくことが重要です。特に年度初め(4月)は人事異動に伴う更新が集中するため、計画的に進めましょう。

2-1. 研究機関登録の確認

ほとんどの大学・国立研究機関はすでにe-Radに機関登録済みですが、以下の点を年度初めに確認してください。

2-2. 研究者情報の登録・更新

研究者のe-Rad登録は、事務担当者の最も重要な業務の一つです。登録漏れがあると、研究者が公募に応募できなくなります。

新任教員の登録手順

  1. 対象者の確認: 人事課から新任教員リストを入手し、e-Rad登録が必要な研究者を特定
  2. 既存登録の確認: 他機関で既にe-Rad登録済みの研究者は、前所属機関からの「転出処理」が完了しているか確認。完了していない場合は前所属機関に連絡
  3. 研究者情報の入力: e-Radの事務担当者画面から「研究者情報登録」を選択し、氏名、生年月日、職名、研究分野、researchmap ID等を入力
  4. 研究者番号の付与確認: 新規登録の場合は8桁の研究者番号が自動付与。前機関で番号を持っている場合はその番号を引き継ぎ
  5. ログイン情報の通知: 初期ログインID・パスワードを研究者本人に通知(メールまたは書面)

異動・退職者の処理

重要: 転出処理を行わないと、異動先の機関で登録できず、研究者が公募に応募できなくなります。人事異動の情報を入手したら、速やかに処理してください。特に4月・10月の人事異動シーズンは処理が集中するため、3月中・9月中に対象者リストを作成しておくことを推奨します。

2-3. 研究者番号の発行と管理

研究者番号(8桁)は、e-Radにおいて研究者を一意に識別するための番号です。以下の点に注意してください。

2-4. 年度初めの一括確認チェックリスト

  • ☐ 事務代表者・事務分担者アカウントの確認と更新
  • ☐ 新任教員のe-Rad登録(人事課から異動者リスト入手)
  • ☐ 異動・退職者の転出処理・所属解除
  • ☐ 全研究者の所属情報(部局名・職名)の確認
  • ☐ 研究者のresearchmap IDとの紐付け確認
  • ☐ 前年度にパスワード未変更の研究者への変更依頼
  • ☐ e-Radのシステム更新情報の確認(年度初めにアップデートが入ることが多い)

3. 公募情報の確認と機関内周知

e-Radには常時多数の公募情報が掲載されています。事務担当者は、自機関の研究者に関係のある公募を抽出し、適切に周知する役割を担います。

3-1. 公募一覧の確認方法

  1. e-Radにログイン: 事務担当者アカウントでログイン
  2. 公募一覧画面を開く: メニューから「公募情報検索」を選択
  3. 条件を設定して検索: 配分機関(JSPS、JST、AMED等)、公募状態(募集中)、分野等で絞り込み
  4. 公募要領を確認: 各公募の詳細画面から公募要領(PDF)をダウンロードし、対象者・条件を確認

効率化のヒント: e-Radの公募情報だけでなく、各配分機関の公式サイトやメールマガジンも併用して情報収集することを推奨します。e-Radへの公募掲載が遅れる場合があるためです。研究費サーチでは、主要な公募情報を横断的に確認できます。

3-2. 機関内締切の設定

e-Radの公募には「機関承認」が必要なものがほとんどです。研究者が締切ギリギリに提出すると、事務担当者が承認作業を行う時間が確保できません。そのため、機関内締切(学内締切)を設定することが重要です。

3-3. 研究者への通知方法

公募情報の周知は、漏れなく・タイムリーに行うことが重要です。以下の方法を組み合わせて運用します。

通知メールに含めるべき情報:

  • 公募名称・資金配分機関名
  • 対象分野・対象者の条件
  • 助成金額・研究期間
  • e-Radでの提出締切(公式)
  • 機関内締切(学内締切)
  • 公募要領のURL
  • 学内の問い合わせ先(担当者名・内線番号)

4. 申請手続きの流れ

e-Radを通じた申請手続きは、研究者と事務担当者の共同作業です。全体の流れを理解し、各ステップで誰が何をするのかを明確にしておきましょう。

4-1. 全体フロー

  1. 研究者: 応募情報の入力
    研究者がe-Radにログインし、応募する公募を選択。研究計画の概要、研究経費、エフォート配分等をシステムに入力します。
  2. 研究者: 申請書類の作成・アップロード
    公募要領で指定されたフォーマット(Word/PDF)で申請書類を作成し、e-Radにアップロードします。ファイルサイズやページ数の制限に注意が必要です。
  3. 研究者: 「確認完了・提出」
    入力内容を確認し、「確認完了・提出」ボタンを押すと、申請が「所属研究機関の承認待ち」状態になります。
  4. 事務担当者: 機関承認
    事務担当者のe-Rad画面に「承認待ち」の申請が表示されます。内容を確認し、問題がなければ「承認」を行います(詳細は次章)。
  5. 事務担当者: 提出(配分機関への送信)
    機関承認後、申請データが資金配分機関に送信されます。一部の公募では、承認と同時に自動送信されるものと、別途「提出」操作が必要なものがあります。
  6. 完了確認
    提出状態が「配分機関受付済」になっていることを確認して完了です。

4-2. 事務担当者の作業タイミング

タイミング事務担当者の作業
公募開始時公募情報の確認、機関内締切の設定、研究者への周知
申請期間中研究者からの問い合わせ対応、e-Radの操作サポート
機関内締切前後承認待ち申請の確認、内容チェック、差戻し or 承認
公式締切当日未提出者への最終連絡、緊急の承認対応
締切後提出状況の最終確認、提出件数の集計・報告

4-3. 差戻しが必要な場合

機関承認の過程で不備が見つかった場合は、「差戻し」を行って研究者に修正を依頼します。差戻し時には以下の点に注意してください。

5. 機関承認のチェックポイント

機関承認は、事務担当者の最も責任の重い業務です。形式的な承認ではなく、以下の観点から内容を精査します。

5-1. 予算整合性の確認

5-2. エフォートと重複チェック

5-3. 研究倫理の確認

5-4. 利益相反の確認

5-5. 共同研究者の確認

承認チェックシート: 機関承認の際に確認すべき項目をチェックシート化しておくと、担当者が変わっても品質を維持できます。多くの大学ではExcelやPDFで機関承認チェックシートを作成し、承認記録として保管しています。

6. よくあるトラブルと対処法

e-Radの運用で事務担当者が遭遇しやすいトラブルと、その対処法をまとめます。

6-1. 研究者がログインできない

原因と対処:

  • パスワード忘れ: 事務担当者が管理画面からパスワードをリセットし、仮パスワードを発行。研究者は初回ログイン時に変更
  • アカウントロック: パスワードを複数回間違えるとロックされる。事務担当者がロック解除可能
  • 登録メールアドレスの変更: 大学のメールアドレスが変わった場合、事務担当者が管理画面から更新
  • 他機関で登録済み: 前所属機関の転出処理が未完了の場合、現機関で登録できない。前所属機関に連絡して処理を依頼

6-2. ファイルアップロードエラー

原因と対処:

  • ファイルサイズ超過: 公募ごとにアップロード可能なファイルサイズの上限が異なる。PDFの圧縮、画像解像度の調整で対応
  • ファイル形式の不一致: 公募要領で指定された形式(PDF、Word等)以外のファイルはアップロードできない
  • ファイル名の問題: ファイル名に特殊文字(全角スペース、記号等)が含まれているとエラーになることがある。半角英数字のファイル名に変更して再試行
  • ブラウザの問題: 推奨ブラウザ以外を使用している場合にエラーが発生しやすい。Edge、Chrome、Firefoxのいずれかで試行

6-3. 締切間際のサーバー混雑

e-Radは締切日にアクセスが集中し、レスポンスが著しく低下することがあります。

6-4. 共同研究者の機関承認が間に合わない

6-5. e-Radヘルプデスクの利用

e-Rad ヘルプデスク

  • 電話: 0570-057-060(ナビダイヤル)
  • 受付時間: 平日 9:00~18:00(土日祝日・年末年始を除く)
  • 問い合わせフォーム: e-Rad問い合わせページ

※ 締切直前は電話が混み合います。緊急でない問い合わせはフォームの利用を推奨します。

7. 年間スケジュール -- 主要公募の締切時期

事務担当者として、主要公募の年間スケジュールを把握しておくことは業務計画の基本です。以下は代表的な公募の一般的な時期です(年度により変動あり。必ず各機関の公式発表を確認してください)。

時期公募・イベント配分機関事務担当者の主な対応
4月新年度開始、人事異動対応-研究者情報の一括更新、新任登録
4~6月JST CREST・さきがけ・ACT-X公募JST公募周知、e-Rad申請サポート
4~6月創発的研究支援事業(新規・継続)JST公募周知、機関承認
通年AMED各事業公募(随時)AMED公募ごとに周知・承認対応
6~8月NEDO各種公募(jGrants経由含む)NEDOjGrants申請サポート(e-Radとは別)
9月科研費公募開始JSPS全学説明会開催、機関内締切設定
10~11月科研費提出締切JSPS大量の機関承認作業(最繁忙期)
11~12月厚生労働科学研究費公募厚労省対象者への個別周知、機関承認
1~3月次年度公募の事前準備-前年度の振り返り、翌年度体制の準備

繁忙期の備え: 科研費の機関承認が集中する10~11月は、事務担当者にとって最も負荷が高い時期です。部局ごとの申請予定件数を事前に把握し、承認作業の分担を計画しておきましょう。年間スケジュールガイドも併せてご参照ください。

8. FAQ -- よくある質問

Q. e-Radで事務担当者が行う主な業務は何ですか?

大学事務担当者の主な業務は、(1)研究者情報の登録・更新(新任教員の登録、異動・退職時の処理)、(2)公募情報の機関内周知、(3)申請書類の機関承認(予算整合性・研究倫理・利益相反の確認)、(4)提出状況の管理と締切管理、(5)採択後の交付申請手続きの支援です。

Q. 機関承認の際に特に確認すべきポイントは何ですか?

機関承認では、(1)間接経費の比率が公募要領の規定に合致しているか、(2)他の競争的資金との重複がないか(エフォート合計が100%を超えていないか)、(3)研究倫理審査の承認を取得済みか、(4)利益相反の自己申告が完了しているか、(5)共同研究者の所属機関情報が正しいか、を重点的に確認します。

Q. 年度初めに事務担当者がe-Radで行うべき作業は何ですか?

年度初めには、(1)新任教員・研究員のe-Rad研究者登録、(2)異動・退職者の所属情報更新(転出処理・所属解除)、(3)全研究者の所属情報・職名の一括確認と更新、(4)事務担当者アカウントの棚卸し、(5)年度更新に伴うシステム変更点の確認を行います。

Q. 研究者がe-Radにログインできないと相談してきた場合の対処法は?

まず(1)ログインIDの確認(研究者番号またはメールアドレス)、(2)パスワードリセット(事務担当者が管理画面から仮パスワードを再発行可能)、(3)アカウントロック解除を試みてください。それでも解決しない場合はe-Radヘルプデスク(0570-057-060、平日9:00~18:00)に問い合わせます。

Q. 締切直前にe-Radのシステム障害が発生した場合、どうすればよいですか?

まず(1)e-Radポータルサイトのお知らせで障害情報を確認、(2)e-Radヘルプデスクに状況を報告、(3)該当する資金配分機関(JSPS・JST・AMED等)にも連絡し、提出期限の延長が可能か確認します。システム障害が原因の場合、資金配分機関が締切を延長するケースもあります。障害発生時のスクリーンショットやエラーログを保存しておくことが重要です。

関連リンク

まとめ

大学事務担当者にとってe-Radの運用は、研究者の研究費獲得を支える重要な業務です。ポイントを振り返ります。

  1. 年度初めの準備を怠らない: 研究者情報の一括更新、アカウントの棚卸しは4月の必須作業
  2. 機関内締切を設定する: 公式締切の3~5営業日前に学内締切を設け、余裕を確保
  3. 機関承認は形式的にしない: エフォート、研究倫理、利益相反を含む実質的なチェックを行う
  4. トラブル対応の手順を整備する: ログイン問題、アップロードエラー等の対処手順をマニュアル化
  5. 年間スケジュールを把握する: 科研費(9~11月)の繁忙期に向けて事前に体制を準備
  6. ヘルプデスクを活用する: 解決できない問題はe-Radヘルプデスク(0570-057-060)に相談

本マニュアルが、日々のe-Rad運用業務の一助となれば幸いです。

本記事はAI(Claude)が作成したコンテンツです。データや制度の詳細については、必ずe-Rad公式サイトおよび各機関の公式サイトでご確認ください。

最終更新: 2026年3月26日

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